店を訪れる客には全く関係のない話であるが、知っておいても損はないから話しておこう。

筆者はマッサージパーラー(以下MP)の経営者ではないから、いくら儲けているかという話は推測の域を出ない。別の話しにしよう。

仕事が終わる時間にマネージャーがコンチアなどと話していることは、「本日は何ロープ売り上げたか」ということである。
「本日は200ロープ」などとコンチアと話している。

もし、その店に娘が50人出勤していたとしたら、娘一人平均4ロープこなした計算になる。
娘が100人いたら、一人平均2ロープとなるわけだ。

店としては売り上げは変わらないのだが、娘にとっては収入が低かったことになる。

平均2ロープ、ということは1ロープしか仕事ができなかった娘もいれば、4ロープも仕事ができた娘もいるわけで、少なかった娘が不満に思うのは当然である。

(この店は客が少ない→他の店に移ろうかな?)と娘は考えるから、店としてはなるべく娘に平等に仕事を与えるようにコンチアのご推薦などに気を配る必要が出てくる。
マネージャーの手腕である。

売れっ子になる娘ははどこで働いても客がつく。
それだけの美形なのだが、あまり美人でもなく売れっ子でもない普通の娘で本日1ロープも仕事ができなかったという娘は悲惨である。
自腹切って交通費、食費を捻出しないといけなくなるからだ。

新しくラチャダーソイ7にオープンした「ザ・ロード」を例にとると、この店のマネージャーは同グループの「ロングビーチ」の元マネージャーで、「ロングビーチ」を売り上げ屈指のMPに育てた手腕を買われて抜擢された。

「ザ・ロード」は相当な資金をつぎ込んでオープンさせたから、マネージャーの苦労は並々ならぬものがある。

何しろ他店で一日の売り上げが200ロープで御の字というところ、ここは200ロープくらいではやっていけない。どんなに少なくても300~400ロープを売り上げないとキツイ。

客層もバンコクで最上級であるから、綺麗どころの娘を100人以上は常時出勤させ、フル稼働させないと達成できない数字である。

必然的に指名の少ない娘は遅かれ早かれ他の店に移らないといけないことになるだろう。
食えないからである。

また、他店からの引き抜きは当たり前で、こういう状態を一年通してずっと今後10年くらいは維持しないといけないという、気の遠くなるような重責である。

思ったよりも売り上げが上がらない同グループの「ヴィクトリア」「コパ」などは近い将来他店に貸し出すか売ることになるかもしれないとさえ思う。(特にヴィクトリアの売り上げは一日100ロープにも満たない)遊びに来る客には関係ない話じゃないかと思いきや、そうでもない。

ペッブリーにある安MPの代名詞である「ビワ」は、午後1時ともなると駐車場が満車になるくらい客が多い。MPの閉店である夜12時を過ぎても数人連れの客がひっきりなしに店を訪れる。
娘一人につき一日5~6ロープはこなせるか。

客層が客層だけにチップは期待できないし、元々の値段が低いので娘の手取りも低い。が、5~6ロープこなせるのなら、値段がB2500の娘が連日1ロープだけというよりも遥かにマシである。つまり店に在籍する娘の数と客足のバランスが取れている店は、店も繁盛、娘も満足、客も懐に応じた娘とナニができてハッピーなのだ。

反対に、バランスが崩れている店は、まず働いている娘に不満が出て流出につながり、店も困るわけである。だから、「ここは娘の数が多くていいなあ」という店をご贔屓にしている御仁は、その店のバランスを気にしたほうがよい。
せっかくお気に入りが見つかっても、他店に流出する恐れは十分にある。

反対に、(ここは娘の数が少なくて選べない)という店でも、バランスがとれていれば問題は少ないから、在籍している娘は比較的流出しない。
固定客とご贔屓で立派に営業していけるのである。

その良い方の例は、「シーザー」である。ここは姫の数と客足のバランスが見事にとれている。
それだけ姫の満足も高いのだろう、娘の大幅な入れ替えがないし、娘の在籍率も比較的長いようだ。

悪い例の店名を挙げるのは気が引けるから言及しないが、コンチアが暇を持て余し博打にうつつを抜かし、客がいなくてガランとした印象が残り、姫がクソ面白くもない表情で座っているような店である。

まあ、店がどういう状況にあったとしても、(女に飢えたナニを癒してやるために)本日出勤している姫から適当なのを一人選んで遊ぶことを考えれば、(我儘を言わない限り!)極端に言えば雛壇に5人もいれば十分である。

どこの店にもいるが、(この娘、この店にはもったいないくらいだな)と感じたら、その娘は店名やランクなぞ気にせず、実収入を考えて働いている証拠である。

もったいないほどの美人であっても、他50名が同じレベルの美人だったら、その娘は今の店での稼ぎと同じだけ稼げないかもしれないのだ。

ここで客は頭をひねる。
さて、バランスが取れている店に行くべきか、バランスが崩れている店に行くべきか?・・・バランスが崩れている店の娘は、仕事量をこなしていない=金(またはチップ)が欲しい=サービスが良くなる場合もあるし、そうでない場合もある。

バランスが取れている店に行けば、可もなく不可もないだろうが、娘が一日にこなす4~5ロープの客の中の一人になるわけでサービスが雑になりやしないか?・・・など、安定を取るか、掘り出しモノを求め博打をしてみるか、それは客の考え方ひとつで決まる。

また、その日の娘の出勤状況にもよる。このように、MPで遊ぶのは、自分の目で娘を確認できて選べる利点もあるにはあるが、考え方一つで丸っきり異なる結果になることもあるから、面白い。

ただし、第1回にも触れたが、コンチアのご推薦というのは客とは関係ない理由によることも多々あるから、信用が置けないと思っていたほうがよい。(この娘と部屋に上がって、満足したらチップをくれ)というエピソードをたびたび見かける。

「このコンチア、けっこう公平だなあ」と考える旅行者が多いと思うがそれは勘違いである。
これもこのシリーズのどこかで触れたが、客がコンチア推薦の娘に満足してチップをやっても、不満足でチップをやらなくても、コンチアには客が最初に支払った金からどうやっても金が流れている。

満足したらチップをくれというのは、飢えていたら何でも食えることを見越したコンチアの詭弁なのである。(満足しても知らんぷりして店を出てくればよいのだが、やってしまう日本人が多いことだろう)最近のMPはどこも人材不足で四苦八苦している。
後述「姫探し」の項目で触れるが、MPで働く娘を探すのは大変な難事なのである。

それも、MPで売れる娘(必然的に並以上の娘)でないと困るから、週何日働くか(通常は週7日が原則)、何ロープ働いたら帰ってよいか(通常は閉店まで帰れない)、店での値段(最近はやたら値段が高騰気味だ。

ロクでもない娘でも平気でB4000などという値段がつく、などにMPのマネージャーは気を配っている。娘に気に入って働いてもらわないといけないから、娘の我儘を呑む店が多い。

ひと昔以上前のMPでは考えられないことである。店が未成年を雇った場合、娘が店で待遇面などの不満が出ると警察に通報して問題が起こる。(かつての名店「ジュリアナ」はこうして閉店し、「カトリーヌ」に買収されてしまった)厄介な問題はこれだけではない。

何かと話題の多い新店「ザ・ロード」はバンコクで最も豪華で客層も良いとMP嬢の間でも評判であるが、他店で働いているサイライたちは皆、ここで働きたいと口を揃える。

「ザ・ロード」はとにかく娘の数を揃えないといけないので、他店の娘たちに「働きに来てくれるんだったら、店を途中で抜け出してきて夜8時からでもOK」と通告している。
他店では考えられないほど甘い勤務条件である。

高級MPのサイライが、最近やたら、途中で店を抜け出して帰ることが増えたのは、こういう理由からである。

週二日は「タラワディー」、週三日は「ユートピア」で働くどころではない。同じ日で移動して働くほど引き抜き合戦が盛んなのである。
店としては頭が痛いところである。

娘は他で働くわよと仄めかしながら、店での売値を吊り上げる交渉を有利に進められる。

いやはや、人材不足というのはどこの業界でも深刻な問題である。

雛壇に並んでいるMP嬢のレベルが年々下がっていると思うのは誤解ではなく、事実である。
成り手が減ったら、当然並の娘の値段を上げていくしか稼ぐ方法がない。

今後経営の苦しいMPはどういう末路を辿るか、興味深い。


新 MP嬢の裏事情、2010年2月20日

外道の細道、2010年1月27日


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