MPのお仕事のひとつに、娘探しがある。

自ら店を訪れて求職してくる娘を待っていても、いつになるか分からない。
客も、店にいつ行っても同じラインアップでは飽きる。

同種の他店から移籍してくる場合も勿論あるが、客の方もいろいろな店に顔を出して遊んでいるから、(あの娘、別の店で見かけたことがある)という具合になる。
娘も同じ店で1~2年働いていると飽きてきたり、客とトラぶったり、問題が起きる。
友だちと一緒に他の店に求職したりする。

売れていない(または、滅多に仕事に来ないような)娘だったら店も格別困りもしないが、客の予約で埋まっている売れっ子だったら困る。

マネージャーやコンチアに苦情が入ってくると、マネージャーから叱咤激励が飛ぶ。
コンチア自身には非がなくてもつまらない思いをすることになる。

店のラインアップを一新するには娘探ししかないが、これが一苦労どころか金と時間のかかる大変な仕事なのだ。

「どうせ客と寝る仕事・・・そんな娘ならいくらでもいる・・・簡単に探せるではないか?」と考える御仁が多いと思うが、丸っきり大違い。

これは専門職と言ってよいくらい、かなりの経験を要する仕事なのだ。
あるMPなどは、自分のところに専任のスカウト隊を置いている店もあるくらいである。

では、なぜ、MP嬢を探すのが大変であるか具体的に話を進めていこう。

遊びに行く客の方は女の心理など考え及ばないから分からないだろうが、まず、一般的タイ娘のMPに対するフツーの感覚は

①監禁されて売春を強制されるという恐れ、

②雛壇に並ぶということ自体、人目に裸を晒すくらいに恥ずかしいことである、

③何か下手をすると、男たちに殴る蹴るの暴行を加えられて自由を奪われるのではないかという恐れ、

などである。こういう一般的なイメージは、昔のMPの話で、テレビのドラマや映画からの影響によるが、(昔のMPは、確かにそれが日常茶飯事だった)MPで働くのを怖がる娘の中には、こういう悪印象を抱いて絶対にMPで働かない娘もいるくらいである。

身体を売るのは同じだからどこで働いていも所詮は客との肉体交渉があるのだが、大規模なMPに求職することは、同じようなことをやってきた商売女であっても、最初、相当な覚悟が必要らしい。

また、MPというところはかなりの美人でないと働けないという先入観があるらしく、「自分は美人じゃないから・・・」と諦めている娘も多い。



逆に、スキンマガジンなどでヌードを披露するモデル、どんな男でもかぶりつきたくなるような“イイ女”はMPなんかでは働かない。
もっと金になる手がたくさんあるからである。

とはいえ、男に恵まれず、高級MPでたまにアルバイトしている元ヌードモデルも中にはいる。
が、こういう娘はパトロンが見つかればすぐにMPからいなくなる。



筆者は、MPのマネージャー、コンチア、エージェント、スカウトいずれにも知己が多い関係で、一度ならず、スカウトのお仕事に一緒に同行したことがあるから知っている。

簡単に言えば、地方に娘を買いに出かけるのだ。

(私のお目当ては、勿論、同行した地方で地元の女と遊ぶことと、スカウトが買ってきた娘をMPに並ぶ前にご賞味することである。この“お仕事”はたまらない。ふふふ・・・同行記は『外道』に投稿の予定)

これはエージェントの仕事に属することでもあるが、各地方にも娘探しのプロがいて、ある一定の報酬を得ることを条件に、チームを組んで娘探しに出かけるのだ。

この報酬は娘が働いて得る自分の取り分から何パーセントあげると最初に決める。

娘探しに同行する最初だけ支払うのではなく、普通は60ロープごとにいくら払うと決める。

一日3ロープの仕事をこなすと20日で60ロープになるから、約一ヶ月分の手当てとして地方のエージェントにも金を渡すことになるのだ。

娘がMPで仕事をしている間は、逃れられない経費である。
こんな苦労をしなくてもすでに商売女はバンコク市内に多数いるが、他種の商売女をMP嬢に転身させるのも意外と容易なことではない。

なぜなら、身体を売ることは同じながら、まず上記のような感覚があり、MPは店というよりも組織みたいなものだから、“シンジケートの掟を破ったら?”みたいな世界に身を置きたくないのだ。

第二に、店やエージェントにかなり搾取されるということ。(これはどこで働いても同じことであるがMPは搾取する率が大幅に高い)

また、エージェントや店に自分の行動を束縛されるんじゃないだろうかと思っていること。
実際はほとんど束縛は受けないが、精神的、肉体的に束縛を極端に嫌うタイ人の気質としては耐え難いものがあるようだ。

第三に、MPで仕事をこなせばかなりの金になることを知りながらMPでは働きたくない理由は、あまりにも“交渉の回数”が多すぎるということがある。

客が少なくて本日1ロープのみという日も多々あるが、通常、MP嬢は1日3ロープから5ロープ仕事をこなす。つまり最低でも3回はセックスするのだ。それも毎日である。

男だったら到底不可能な仕事であるが、一日店で5ロープ仕事した上にアパートに帰り、若い恋人に抱かれて6ロープ目(?)をこなすこともあるのだから、セックスに飽きて当然ではある。

時間内に2回ヌカせてくれと迫る客を嫌がるのも何となく分からないでもない。
2回ヤルんだったら、チップをくれなくちゃというMP嬢が増えるのも当然かもしれない。



私見だが、時間内に2回戦こなすことに意義を見出す御仁を多く散見するが、同じ娘とどうして2回ヤリたいと思うかねえ。一度下りてきて、またもう一人選んで階上に消える手もあるし、河岸を変えてもう1回戦こなしてもいいだろう。どうせそれが女遊びに行く最後の機会でもあるまいが・・・



また、MPで働くと娘に選択権は全くない、つまり、娘が自分で客を選べないという点がある。
他種ではNOと拒否できるところ、MP嬢は通常は客に選ばれたら拒否できない。

どんな嫌な客でも、初回は拒否権を行使できない。



2回目からは、もしMP嬢がその客の相手をしたくなかったら、すでに他の客が予約済みや何だかんだ理由をこじつけて、コンチアに頼み込み、断る余地はある。

娘が客をキャンセルできるのだが、客の力関係によってできない場合もある。まあ、よっぽど悪い客でなければ拒否には遇わないから、旅行者は安心してよい。



このように、MPで働く娘を探すということは、かなり困難を伴う仕事なのである。

専門のプロがいて不思議ではないが、現在最も簡単で安易な娘探しは、外国人の娘(ミャンマーやラオス)をバンコクに連れてくることであるという。

娘一人につき1万円ほど払えば、パスポートと90日の観光ビザの取得は簡単にできる上に、エージェントはタイ娘よりもかなり安くコキ使うことができる。

ミャンマーやラオスの娘はタイの北部出身の娘のように肌の色が白いから簡単に見分けがつかず、タイ人客の好みに合致している。

「あたし、出身はチェンマイ」と自称している娘の中にはそういう外国人が紛れ込んでおり、タイ国境近辺の地方から出てきた娘は、話すことは勿論、読み書きもできる娘がいる。

中にはパスポートなしで密入国している娘も若干いるが、エージェントは偽のタイ人IDカードを持たせて働かせる。
偽IDカードを売っているプロがいるのだ。

MPに求職する際、娘はIDカードを提出する義務があるが、普通、MPのマネージャーは外国人は厄介だから断る場合が多い。(そこら辺の事情はその店の警察へのコネ次第)

が、在籍していないことにして娘に仕事をさせたら、何の問題もなく働ける。(搾取したマージンはマネージャーが独り占めする)

外国人の娘の率が非常に高いという店はパラム9にある「カトリーヌ」と「ラデフォンス」(オーナーは同じ人物)で、この二店は数年前に盛んに踏み込まれて懲りたのか、かなりのコネを伝って営業を再開した。

現在、雛壇の中のタマダー娘、サイライ娘の多数はタイ人ではない。
ラチャダーにある「ナタリー」、ラパオの「V2」も外国人娘で溢れている。

現在、他の店にも少数ながら外国人の娘は在籍している。
目立たないように、店指定の特定のエージェントがタイ娘5人につき外国人1人とかの割合で紛らせて入れている。

タイの偽造IDカードを所持しているので普段は見分けがつかない。(こういう娘は、何か問題が起こったとき、つきあっている男は責任がとれない)IDカードの写真が当人と若干違うぞという場合があったら、外国人の娘かもしれないと疑ってよいかもしれない。(商売女は整形している場合もあるので一概に言えない場合もある)

フリーの娘がMPに求職する、またはエージェントが娘を求職させる際、簡単な審査がある。
店のマネージャーが娘の服を脱がせて、身体をチェックするのだ。

その際、最も審査の対象にされるのは、第一に顔ではなくて胸と腹(タイ語で“ランカイ”という)。子供を出産して胸がダレている娘、帝王切開して腹に傷がある娘、妊娠線が醜く残っている娘などは不合格となる場合がある。

第二に肌。
あまりにも肌が黒い娘は、これも不合格になることがある。(タイ人客はとにかく肌が黒いのはダメだ。コンチアも売るにも苦労する)

第三あたりに顔がくるが、顔立ちはどの店でもあまり考慮されない。
時には年齢があまりにも高くて(35歳など)拒否されることもある。



筆者が実際知っている審査方法の例は、某ペッブリーのMP。

求職してきた娘を一列に並ばせ、マネージャーが自分のナニを丸出しにして娘に次々にしゃぶらせるという店がある。

他の娘が大勢見ている前で堂々とペニスをしゃぶれた娘は合格。
躊躇した娘は即座に不合格だそうである。

フェラチオの“巧さ”ではないところが面白い。



また、男性雑誌でヌードを披露したことがある娘は実績(?)を買って、カフェーの歌手(ナクローン)はプライドに考慮して、コヨーテで踊っていたスタイル抜群の娘などは体型を買って、大体初めから“サイライ”の値段で採用することが多い。

年齢が多少高くても、こういう前歴で働いていた娘は他種の商売女よりも男の目を引く娘であることが多いからで、高級MPのサイライの半数近くはこういう前職である。



旅行者相手のタチンボなどはMPに求職しないのが普通だが、タイ人相手の小さなカラオケなどで働いていた娘の扱いも低い。

外国人御用達のクラブやカラオケなどで働いていた娘も、これまた扱いは低い。タイ人客の嗜好に合わないからである



完全な素人は基本の審査基準の範囲でマネージャーやコンチアの意見で決定する。

こういう審査にパスした娘は晴れてMP嬢になれるわけだが、どの店でも週2、3日だけ働いている娘というのがいる。
いったい普段は何をしているのだろうと考える御仁も多いと思うが、まだ学業が残っているという娘、何もしていないという娘、様々である。(学業が残っているという娘の裏話は、第1回で触れた)

外道邦注、MP嬢の裏事情 学生という娘の実態
参照



何もしていない娘というのが最もうさん臭いのだが、MP嬢になって半年、一年と年月を経てきた娘は既に何百人の客と知り合っている。

その何百人の男の中で、何十人かは娘の固定客になっており、そのうち何人かは娘にご執心で、(この客はあたしに入れ込んでいて店外で会って抱かせてあげれば店に来るより金になる)と娘がフンでいる。

こういう客の相手をする時間が娘の言う、“何もしていない日”の過ごし方である。
外で会うからにはチップの他にプラスアルファを期待するのが普通で、タダ飯にありつけるのは勿論、デパートで会って買い物三昧させてくれる客、1万、2万バーツとまとまった金をポンとくれる客は、娘にしてみれば上客中の上客で最待遇の顧客である。

『外道』の投稿の中で、「店外で会いたいと誘ったら、B○○○○くれなくちゃとぬかしやがって!」と憤慨する御仁に出くわすが、こういう客はお誘いを口にした段階で娘に試されている。

その程度の金を払えない客と、MP嬢がどうしてご自分の時間を潰してつきあいたいと思うか考えればよい。
店に来てくれる客以上の身分にはなれない。

いくらご自分が気に入っていても娘に相手にされないのだから諦めよう。

MP嬢が客と外でおつきあいする時、もし、金銭的に何も要求しなかったら、その理由は、

①まず、タダでやらせて客を惑わせ、半ば、押しかけ愛人になる=囲わせる、

②金に困ったときに小金をくれる上客にさせる、

③ギックとしてつきあってもよい、

稀だが、
④個人的にちょっと気に入ったからである。

普通は娘のエージェントなどの指示で金銭を要求することは当たり前。

既にその娘の固定客になっており、何度も相手をし、気心知れている関係になった上に、もし、娘に男がいると知っていても直接口にせず、電話する時間や連れ出した日の帰宅時間に気を遣ってやり、肝心のコトに及ばなくても、自分の思惑通りにコトが運ばなくても、必ずいくらかのチョップを弾んでやって、娘に、『こういうお客だったら、時々外で会ってもいいかなあ』と思わせることに成功すれば道は近い。

客はその娘を気に入っているからお誘いを口にするのだが、娘が客を気に入っているとは限らない。
人の自由意志というのを尊重しない御仁は、タイ人とはおつきあいできないと知ろう。

そこら辺の援助交際の娘がホイホイ客の言うなりにどこでもついてくるのは、それが仕事だからであって、形態が違えばマナーが違うのは当然である。

同じことを要求しても、娘の意識が違うのだ。

そういう意識の違いをきちんと理解しておつきあいしないと、MP嬢はただ単なる客としか扱わない。
客の、タイ人への、そして形態が違う商売女への理解度なのである。

画一的なマナーしか知らない旅行者は、どこで働く商売女も同じだと勘違いしているのだ。

店外に連れ出して自分の自由行動に同伴させるのが前提の商売女は、どう振舞ったらよいか、どうやってチップをせしめるかに長けているが、MP嬢は店の中でコトを済ませる商売なのだから、全てが店の中で進展する。

店外で客に会うということ自体が商売から外れるわけで、男の手練手管が試されるわけだ。

MP嬢が客と外で会うことに同意するにはそれなりの理由がなければ承諾しないのが普通である。
娘が客を個人的に気に入っていたら、客が何もしなくても娘から声をかけてくる。

従ってMP嬢を口説くのは長期戦になることもあるから、滞在日数が限られている旅行者にはちと辛い。
指名してお相手したMP嬢のサービスが気に入って外で会えないかとお誘いを口にする場合は、客は娘の条件を全て呑まざるを得なくなるから、基本的には金がかかると思ったほうがよい。

そういう心構えがなく、手練手管を踏んでいない御仁は、MP嬢に「外で会うならB○○○○ね」と冷たく言い渡されるのである。

99%のMP嬢には恋人がいるわけだし、金になる他の客も大勢いるのだから、あなたと個人的につきあう理由はあまりない。あしからず。

バーやクラブ、援助交際の娘をOFFしてくるほうがMP嬢と外で会うよりマシだと旅行者は口を揃えるだろうが、最初に交渉した金額の外に追加料金なしで何度も肉体交渉に応じてくれる娘は、またそれなりに他の目的がある。
男の浅はかな願望を掻き立てるのである。

“この娘、ちょっと、おれを気に入ったんじゃないか?”という幻想である。

これにハマった男は、その娘をオキニとか勝手に呼んで贔屓にし、タイを訪れるたびに娘に金を使う。娘は愛が目的なのではない。
ハマり過ぎた結果、本物の恋人にしたいと考えるおバカも出てくる。

娘にしてみれば金蔓を見つけたに過ぎないのだが、半年、一年と会えなくて、“あの娘に、また会いたい”とさらに恋慕を募らせる男もいて哀れである。
苦笑すらできない。(オレがタイにいない時、娘はひたすらオレとの再会を願って待ち、客に抱かれて泣いているのだ・・・ううう)と涙する男が本当にいたら、どう考えてもキ印である。



商売女の皮算用は男の娘への関心度=夢中度による。
これがなければ縁がなく金にならないから騙せない。
この下心があるからこそ迷宮であっても男は深入りする。

商売女はそこをよ~く知っている


新 MP嬢の裏事情、2010年2月20日

外道の細道、2010年2月1日


にほんブログ村 その他日記ブログ ダメ人間へにほんブログ村 大人の生活ブログ タイナイトライフ情報(ノンアダルト)へ