MPで遊ぶ客はあまり気にしない存在だが、表舞台に出てこないだけであって、実はMP嬢の大半は、その店に所属する従業員というよりも、エージェントが抱えている娘たちなのである。

このシリーズ第1回にエージェントのお仕事については簡単に触れたが、もう少し突っ込んで話をしてみる。
エージェントというのはMPにとって欠くことができない存在でもある。
エージェントは、娘が店で仕事をして1ロープ(1回)ごとにいくらいくらと搾取する。
エージェントによってこの金額は様々で、ロープごとにB300から、多ければ60%などである。

例えばある店でB2000の娘がいたとする。
店の取り分B1000と仮定すると娘の取り分はB1000となるが、仕事が終わって日払いの給料を受け取る際、満額で受け取れることはまずない。

初めてMPで仕事をする時、娘は「カー・タカー(道具代)」を店から搾取される。

客が娘と部屋に上がると、ババア(メー・バーンという)がMP嬢のお道具箱を持って部屋に入ってくる。
この中にはMPの仕事に必要なものが収まっている。
入浴剤、リステリン、ティッシュペーパー、コンドーム、パウダーなどである。

店に最初に求職してきた娘は、お道具代と称してB1500からB3000(店によってまちまち)の代金を自分の取り分から店に搾取される。

通常は1ロープごとにB100。
多いところでは、ロープごとにB500。

こんなものは自分で買えばもっと安く済むのだが、お道具代と称して店が搾取する一種の求職代と言えばよいだろう。

このカー・タカーを払い切るまで、娘は満額で受け取れない。
払い切った後、道具がなくなったら、その都度メー・バーンに頼んで注文をし、自前で支払う。
店から支給されるわけではない。

また、エージェントがMPに娘を求職させる場合、店での待遇をよくしてもらうために(つまり、他の娘よりも優遇してコンチアを通して客に推薦してもらうために)エージェントは娘の取り分から「カー・チア(推薦代)」を搾取する。これが大体B200程度。

搾取された金はマネージャーに渡る場合もあれば、店にいる特定のコンチアが受け取る場合もある。
MPのオーナーが黙殺している場合もあるが、厳格なオーナーがこれを知ると、自分だけ金を儲けている従業員は当然クビになる。

娘が外国人(ミャンマー人、ラオス人など)の場合、店は警察の手入れを恐れて娘を受け入れることに消極的になるが、マネージャーが承認すれば何の問題もない。
この辺の事情は、その店の警察へのコネの強弱による。

タイ人娘であっても、通常違法とされている18歳未満の場合はマネージャーと話しをつけないといけない。

また、お道具箱を部屋に持ってきてくれるメー・バーンへの代金、「カー・メー・バーン」(大半のところでB20~B50)を店から搾取されるし、毎日娘が店に到着したら、店専属のスタイリストに化粧と髪をやってもらう代金(約B80~B100ほど)とチップ(各B100)は自前で払わなくてはいけない。

それにエージェントが搾取する額を差し引いた金額が、娘の本当の受け取り額ということになる。
エージェントが搾取する金額は、エージェントによって、娘の店頭での値段によって異なるが、少なくてB300から、多くて娘の取り分の60%。

客が娘に渡すチップを全額搾取するタチの悪いエージェントもいれば、客からのチップは搾取しないというエージェントもいるにはいる。

ちなみに、MP嬢に外で会わないかと個人的にかけ合う場合、エージェントはそれを見越して娘とは取り決めをしている。

MP嬢は店を休むことになり、エージェントに金が転がり込んでこないことになるから、だいたい3ロープ分(=B2000の娘だったらB6000ということになる)を客から貰えと指令を出している。

店で遊んだらたったB2000じゃないかと憤慨する客(時折、『外道』の投稿にも出てくる)はこの裏の事情に無知なだけである。

MP嬢が客と外で会うことを承諾するのは、その店で遊ぶ客が少なくて稼げないとか、自分のサービスに問題があって固定客がつかず何とか稼ぎを確保したいとか、エージェントにウソをついて自分の取り分を確保したいとか、客を気に入っていて、この客ならば外で会ってもよい、おつきあいしたい、と思う場合だけである。(タダでもOK、自分がこの客とヤリたいという場合も稀にあるが)

客の執心の程度にもよるが、まずはタダでやらせておいて客に囲ってもらうきっかけを与えるという計算づくの娘もいるから、そこら辺の見極めは難しい。

客がどのくらい商売女の裏事情に通じているか問われるわけである。

MP嬢に外で会わないかと誘う場合、どういう理由でOKするかは客のレベルがモロに試される申し出になるのだ。

『娘からたったの数百バーツ搾取して飯が食えるのか?』と疑問に思う御仁は計算してみればすぐ分かる。
エージェントが娘をMPに求職させ、カー・チア(いわゆる店への賄賂である)を払った場合、店は他の娘を差し置いても客に推薦し、だいたい3ロープの仕事を保証する。

エージェントが娘一人から搾取する金額をB300と考えると、一日3ロープでB300×3=B900。
エージェントがある店に娘を10人入れていれば、B900×10人分=B9000となる。

これを一ヶ月で考えると(娘は30日働くことができない。生理休暇があるからである。通常エージェントが娘と取り決めている条件は、30日のうち約20日~25日以上である)月額(娘が全員25日、一日3ロープ仕事をすると仮定して)22万バーツ以上になる。(B1=2.7円計算で60万円以上の額になり、税金はゼロであるから、おいしい仕事だ)

では、果たして、なぜ娘はこんなに搾取されてもエージェントに頼りたいかというと、エージェントがいない娘は、店も、マネージャーもコンチアも誰も積極的に推薦などしないからである。

下手すると「あの娘はダメだ」と仕事を与えないコンチアもいるくらいである。
自分に金が廻ってこない娘を、コンチアはご推薦などしない。(コンチアに知己がありB100渡しているからイイ娘を紹介してくれるんだと無邪気に考えている御仁は、この辺のMP業の裏の世界に皆目無知な御仁である。コンチアにはあなたが娘と部屋に消えた時点ですでに金が入っているのである。客は店での入浴料の他にさらにコンチアにチップまでやるのだから、もらう側としてはホクホクものである)

コンチアのご推薦の根拠の薄さはこのシリーズ第1回で既に触れたが、日本人客でごった返しているMPなどは、99%、エージェントの熾烈な競争が繰り広げられている店である。(つまり、客が支払った料金の一部は、すでに娘のエージェントや店のマネージャー、コンチアの肥やしになっているわけである)

その上客が娘にやるチップを全てエージェントに搾取される娘などは、ある客がどんなに娘を気に入っていて金をやったとしても、エージェントにやっているのと同じなのである。

この辺の事情は大半の客には無関係だし知る必要のないことでもあるが、あるMPでは、エージェントの権力争いで娘のラインアップが決まっているところもある。

何しろ、他よりも数多くの娘を抱えているエージェントは、店での発言力が絶大にあるからだ。
自分が抱えている娘を推薦しなかったり、約束の仕事量をこなせないと知ると、エージェントは、娘を全員この店から引き上げるなどと脅迫めいた脅しをマネージャーにかける。

雛壇の中から5人~10人、それも売れっ子の娘を全員引き上げられては、店も大いに困る。(新しい姫探しは時間と金のかかるとても厄介な仕事だからである)

『外道』の風呂屋indexのページには実に多くのMPが紹介されているが、そういうエージェントの影の働きや権力争い、どこの店がどんなエージェントを使っているか、この店で権力を握るエージェントは誰か、皆目、誰も書かない。

客が知ったら、あんな店なんかで絶対遊ばないぞというような話も多く知っているが、営業妨害になるので書くのは控えよう。

個人的に虫の好かないエージェントが娘を送り込んでいる店には行かないことにしている。
なぜなら、エージェントに金が渡っているだけではなく、エージェントが男の場合(エージェントが女で、トムかレズビアンも同様)、その娘がエージェントの愛人だというケースもあるからである。

なぜエージェントが娘と関係を結んでしまうか。
それにはちゃんとした理由がある。

店が閉店となると、娘はその日の日給をキャッシャーで受け取る。
今日は○ロープ仕事をこなしたから、いくらいくら。
店が搾取する経費を差し引いて手取りはいくらいくらと現金で受け取る。

この受け取りは、エージェントが娘を送り込んでいる場合、普通はエージェント自身が受け取りに行く。
娘に受け取りをさせると横領して逃げられるからである。

が、厄介なことに、ある店ではエージェントに受け取りをさせないところもある。(例えば、「シーザー」はエージェントの金の受け取りを拒否している店である)

こういう店は娘が直接金を受け取ることになるが、(だからと言って、シーザーの娘は全員エージェントがいないということにはならない)娘に金を横領されて逃げられないように、エージェントは自分の抱えている娘たちの中で信頼のおける娘と肉体関係を結び、半ば自分の女房か恋人にして、仕事上のパートナーにさせるのだ。

娘を10人抱えているエージェントは、愛人の娘に他の娘全員分の日給を受け取らせたりすることもある。
また、抱えている娘を全員、自分の性的奴隷に近い環境に置いているエージェントもいる。

こうなると、娘を主人(?)である自分に金を貢がせることに専念させることができるからである。(また、男避けの意味も含んでいる)

自分からエージェントに抱かれる娘もいる。

エージェントの半ば愛人になってしまえば、他の娘よりも優遇してくれるだろうと思うからである。

こう考える裏には、エージェントの仕事の一つに、娘に金を前貸ししてやるという決まりがあるからである。

MP嬢が何かの理由で金が入用になるとエージェントから金を前借する。
エージェントは娘を縛っているから後からいくらでも取り返せる。

娘にとっては最も簡単な借金の方法であるから、娘がエージェントを頼る理由も分かる。

「エージェントはいるのか?」とMP嬢に訊く知ったかぶりの客がいるが、娘は「そういうの、いない」と答えるだろう。
これもエージェントが、もし客に訊かれたらいないと答えるようにと娘を教育している。

現在のMPで、エージェントについていないフリーの娘というのは少数派である。

本当にエージェントがいない娘は、かなり稀な自信の持ち主か、自信過剰か、コンチアのご推薦や店のプッシュがなくても大勢の客が即座に指名してくれるほどの美人か、エージェントから搾取されるのは嫌という娘か、この仕事のベテラン(つまり年齢が高い)でどんなに客がつかなくても自力で食っていける(つまり旦那持ちかパトロンに近い男がいる)古参MP嬢か、小金を貢いでくれる男が複数いる娘か、他に商売をやっていて金の工面ができる娘か、いずれかである。

また、娘の受け取る金の中に、“クーポン”という制度がある。これは、店が客の払った金額から通常B100を確保して、一ヶ月に一度、娘に支給する月給みたいなものである。(どの店もB100だが、例外はヴィクトリア・シークレットで、タマダーの娘のクーポンの額面はB50、サイライはB100と差別している)が、これもまともに満額で支払われることはなく、ミーティングに来なかった(どこの店でも、出勤時間を利用してミーティングを行う)、何々に出席しなかったなどと難癖をつけて差し引く。

エージェントがついている娘の場合は、このクーポンを娘が受け取れることはまずないと言ってよい。
エージェントが全額搾取したり、エージェントが全額、店のマネージャーや特定のコンチアに賄賂として贈ることが普通だからである。

クーポンの受け取り日はMPによってまちまちだが、通常は月初めの5日か7日。
従ってこの日は普段滅多に仕事にやってこないサイライなども必ず店に顔を出す。
来ないと支給されないからである。

在籍する娘の大半の顔を拝みたいと思ったら、この“クーポンの支給日”を狙うと、普段は見かけない多くの娘が店に出勤してきていることが分かるだろう。(ただし、この日を過ぎるとたちまち出勤しなくなる娘も多いから、次回、なかなかお目にかかれなくなるが。こういう場合も想定して、娘に連絡先を訊いておいても損はない)

何かと支払いが込んでくる月末や月初め(商売女が借りているアパート代の支払い期限は、これまた月初め5日や7日あたり)になると、やたら店に出勤してくる娘が多いのは、こういう理由からでもある。

MPによく通っていて知ったかぶりをしている御仁の中に、娘がメー・バーンにチップをやるというのを知っていて、チップの他にB20やB50をやる御仁がいるが、(店によって取り決めはまちまち。入浴料から差し引くところもあれば、娘が客と部屋から出るときに勝手に任意にあげてくれと指導している店もある)通常は客が払った入浴料からすでに差し引かれている。
二重にチップをやるのもどうか。

また、エージェントが娘を何人かまとめてアパートに住まわせて管理している場合(娘が非タイ人の場合は絶対にエージェントが管理している)、エージェントは部屋代を娘の取り分から搾取しているし、地方に出かけて娘を買ってきた場合、娘探しに協力してくれた地方のエージェントに報酬を払うためにこれまた搾取する。(最初にいくらというだけではなく、娘が一定期間仕事したらいくらと決めている)

エージェントの仕事はこれだけではない。
MPにとって死活問題とさえ言える新しいラインアップ(新入り娘)を探すのは、他でもない、エージェントである。(例外は「カトリーヌ」。ここは店専属の姫探し隊を抱えていて、カトリーヌの姫はカトリーヌ専属の従業員である。エージェントに先を越される前に、15、6歳の娘を地方で見つけてきて買ってくる)

客がMP嬢に執心して仕事から足を洗わせたい、店を辞めさせたいと考えた場合、エージェントはこれも娘と取り決めしているのが普通。
囲う客に金をもらえと言われる。

娘が仕事を辞めたら、エージェントに金が入ってこなくなるからで、囲う男はエージェントの重要な収入源である娘を横取りすることになるからだ。

このように、MP嬢には客が想像もつかない裏事情がたくさんあるのだ。
かえすがえすもMPで遊ぶということ自体、客はこのカラクリから無関係ではいられないと知るべきだ。
金を払うのは客であるが、その配分には、客が思いもよらない裏の世界があるのである。

が、それだからと言って、金を得るために客と寝ることに同意する、自称“援助交際素人娘”のほうが安くつく、安全だ、無駄がない、素人に近い、一般タイ人の普通の感覚を持っている、騙さない、気立てがよいなどと勘違いしないほうがよい。

外国人専門街で買ってくる娘が、なぜ外国人専門街で客を探すか考えよう。

そこにはMP嬢が思いもよらない、また、別の裏があるのである。



一晩貸切にした娘と何回戦でもOK、値段は同じというほうがありがたいと思う御仁で、娘が一晩数回の肉体交渉を嫌がらない理由を、『この娘、おれのことを気に入っているのかな?』と勘違いする御仁がいる。

交渉を嫌がらない理由を、個人的感情が入り混じっていると考えたくなるのも分からないでもないが、そう考えるのは危険である。
恋愛に似た感情に囚われているのは他ならぬ客自身なのである。

娘にはそう思わせたい裏があるので、“タダ”で何度も応じるのである。
そこら辺、日本人の男はお門違いをしている。

地方の女郎屋に行ってみるがいい。

1日15ロープこなしている娘などザラである。

一晩で三回も交渉をしてくれる娘は、好意を寄せてくれているに違いないと勘違いする御仁は、娘にとって三回の交渉は朝飯前の、軽いトレーニングみたいなものであると知ろう。

それでいて、手にする金は、一日15ロープ相手にする娘と同等かそれ以上である。

そう考えれば、旅行者を相手にするといかに仕事が楽かお分かりか?



MPで遊び慣れている御仁の中で、「実際この娘は手取りでいくら貰っているか?」と考える男もいるだろう。

店が娘に与える取り分の中から店やエージェントに搾取された分を差し引いた額面が、娘の本当の取り分なのだが(かなり減ってしまうことは事実)、これを不満に思って客に聞かせる娘というのがいる。

タイ語が少し分かる御仁は耳を傾けることになるのだが、「会社はこんなに儲けているのに、オレ様の給料はなぜこんなに安いのか?」と不満を募らして酒の席で訴えるサラリーマンと同じで、他人が聞いてもあまり愉快なものではない。

ご自分のバカさを暴露しているような御仁も中にはいる。

MP嬢も同じである。

こういう娘に限って、美人度で劣る(→整形すればよいのだが、ご自分の浪費癖ゆえ金を貯められない)、週に2日しか働きに行かない(→週7日働きに出ろ!)、遅くなってから店に行く(→毎日午後いちばんに仕事に行け!)という我儘であって、同情する余地はあまりない。

客の同情を買って、チップをせしめたいという娘に限ってこういう話を客に聞かせるのだ。嫌だったら、他の店で働けばいい。
他の形態に鞍替えしてもいい。

MPでそんな小細工をしてチップをせしめている娘がいたら、商売女としてどこで働いても同じだ。
遅かれ早かれ、どこかで躓くだろうと思わざるを得ない。

MPで働くということは店の取り分を引かれた上、エージェントにも搾取されるが、収入税はゼロであるし、チップも手に入る。(エージェントに全額搾取される場合は別。店によっては客層が悪くてチップがほとんどないこともある。娘が客層が良い=金持ちのよく通う店か、旅行者で溢れている店で働きたいと思うのは当然である)

金に困ったらMPに転職する商売女が多いのは、最も手っ取り早くまとまった金を手にすることができる近道だからである。
エージェントにとっても、搾取しがいのある(?)職場といえようか。

ちなみに、娘の手取りをマージンと書く御仁がいるが、正確にはマージンではない。
エージェントが搾取する金をマージンというのは正しいが、娘が受け取る金は“賃金”である。
それが娘の直接収入であって、歩合ではないのだ。

MPで働いている娘に基本給与(月給)などというものはない。
従って、客が払う金から娘が受け取る金はマージンではないのだ。

「△△の○○は、『あたしの月給は4万バーツ』と言っていたぞ。娘に月給は出ているじゃないか」と反論する御仁、聞き違いではないが勘違いである。

4万バーツもらえると客に語るのは、店が娘に支払う給与ではなくて、娘がエージェントと取り決めをしている取り分である。

通常(そして伝統的に)娘はエージェントと60ロープで金を受け取ることにしている。
エージェントは娘が働いて得た金を店から受け取り、せっせと貯めておかないといけないのだ。

60ロープに達したら娘に取り分をやる。
娘にしてみると、エージェントから月給をもらえるという感覚である。

エージェントが娘にやる金は娘自身が稼いだ金なのだが、60ロープに達する前に娘が何からの理由で前借りした金と諸々の経費を差し引いて娘に取り分を渡すのだ。

店での値段が高い娘ほどこの取り分は高いが、サイライと呼ばれる娘たちは毎日仕事になぞ行かないから、60ロープに達するのに日数がかかる。

エージェントによっては、サイライの娘たちにはそういう取り決めではなくて、毎日金を渡してやる場合もある。
渡さないと食う金に困ることになるからである。

が、普通はチップも含めてかなりの金が手元に残る場合がほとんどで、店によってまちまちだが、一日3ロープ仕事をしてロープごとにB200ずつチップをもらえたら、それだけでB600になる。

一日飯を食うには困らない額である。

客によってはB500~B1000、ご贔屓にしてくれる客が店に来たら2ロープ時間買いしてチップはB2000~B4000など、チップだけで金になる場合もあるし、エージェントが渡してくれる金を待たなくても毎日暮らしてはいける。(ある一定期間が過ぎればエージェントから取り分も入るのでひと安心)

一見してかなり金のかかっているモノを持っている商売女は、決して自前で払ってなんかいない。
どんなに高級な携帯を持っていても、身分不相応とも思えるブランド物のバッグ類を持っていても(時に自分のクルマを持っていても!)、ほとんど客に買わせたものであって、自分のサイフから出た金ではない。

特にクルマを持っている商売女というのは、パトロンがいる(または、過去にいた)娘であって、月々の支払いに追われるから仕方がなく仕事に行くような場合が大多数である。



タイ人の裕福な男は、決して一括で娘にクルマなぞ買い与えない。
いつまでこの娘のパトロンでいるか分からないからだ。

最初ローンを組み、問題が起きたりその娘と別れるまで、月々の支払いを与えるようにしている。

日系中小企業の日本人社長などが商売女にポンとクルマを買ってやることがあるが、娘にはほとんど別の男がいる。
娘のヒモにクルマを買ってやってるのと同じである。
これを見越して商売女とつきあう若い男も多いのだ。



こういうことを書くと、これからMPを訪れて、「カー・タカーはいくらだ?」と訊くような知ったかぶりが出てこないとも限らない。
まちがっても、実際の裏を知らない御仁はこういうことを口にするべきではない。(タイ語がしゃべれても、そういうこととは違う)

同業者かと勘違いされても、MPに精通しているお客、タイによく来ていて慣れているお客、女遊びに詳しいお客だと娘がサービスを良くすることは決してない。

逆にそんなこと、外国人旅行者がなぜ訊くのかといぶかられるだけである。
豆知識として知っておくに留めておくべきだ。

ちなみに、筆者はエージェントで食ってるわけではない。
エージェントに知己が多い関係で知識として知っているだけである。

くれぐれも、知ったかぶりは慎もう。
(口に出すと、チップを余計に乞われるだけ!)

なお、本文では触れていないが、MP嬢が店に初めて求職した際に、別途、「カー・モー(医者代)」が搾取される。

これは初回のみならず、MP嬢が仕事をする上で毎月数回定期的に検査を受ける代金であるから、定期的に搾取される経費である。

商売女の中で、検査を受けることが義務付けられているのはMPだけで、変な病気に罹っている娘は仕事ができない。

古式按摩などの娘はこの検査の義務がない。
従ってMP嬢より必然的に危険度が多少高くなる。
他の形態の店で働く娘は検査など全くないのが現状である。


新 MP嬢の裏事情、2010年2月20日

外道の細道、2010年2月1日


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