スイカを買う

ICカードっていうんですか?
アレですよアレ。

日本に住んでいる皆さんにはなんの変哲もない日常でしょうが、オレにとってはTVでしか見たことがありません。
自分で買ったことはなかったのです。

日本に帰ることはあっても滞在はせいぜい数日なのでそんなものは買ったことがなかった。
今回はそれを買ってみたかった。

あんまり必要はないがポケットの中が小銭でジャラジャラになるのはイヤだ。

赤ハゲ先生の生誕地、山谷からは妙の交通の便が悪く、そんなところだから都心にもかかわらずドヤになっちゃうんでしょうが、言っても始まりません。

都内では滅多に使うことがなかったバスを使うことにしました。
あしたのジョーの泪橋からは数本のバスが出ており、東京駅八重洲口行きと上野行き、千住行きだった。

自然に上野行きを選んでしまったところにオレのお里が知れる。
バスに乗った運賃は200円・・・20年前と同じだ。

バスはノンステップバスとかで床が異常に低い、乗ってる乗客も年寄りばかりで床の低い理由が何となく察しられた。

走り出したバスが最初に止まったバス停は吉原大門・・・先生の田舎は淫売町だった!
結局タイ女に落ち着いてしまったところをみると、イヤダイヤだともがきながらも故郷の村に戻ってしまったU-ターン百姓みたいだな。

しかし、この辺りは・・・なんとも乞食の多いところだな。

赤ハゲ先生には申し訳ないが、こんなに乞食の多いところはバンコクではクロントイスラムだけだ。
(後日そのことを電話で伝えると『いいですよ、どうせまた書くんでしょ!』といきなり卑屈になっていた。やはりこれは触れてはならない心の傷のようだ)

路線は下町の路地を縫うように進み、バスが通る道とは思えないほど狭い。
乗ってくる乗客も婆や爺ばかりで女子高生とか若い奴はいない。

つまんないな。

そんなこと考えている間に上野に着いた。
ウーン・・・20年前とさほど・・・イヤ、さっぱり変わってないな。

上野は変わらなくて正解の街なのかもしれない。
様変わりしてしまうと田舎モノが迷子になってしまう。

みどりの窓口はみどりの窓口のままだった。
職安までハローワークとかに変わってしまったくらいだからいつまでもみどりの窓口のわけはないと思っていたが、この辺りは一切変わらなかった。

ここでスイカが買えるのだろうか?そんな表示は一切無かったがとりあえず列に並ぶ。並んでいる間考えた。スイカは1枚なのだろうか?1個なのか?それとも2000円分ください、が正しいのだろうか?
オヤジの心は千々に乱れたが、すぐに順番が回ってきた。

「あのースイカってここで買えるんですか?」

「ハイ、取り扱っておりますよ」

「じゃあ、1万円分ください」

「こちらで取り扱っているのは2000円までなんですよ。あちらの自動機で追加分を入金してください」

同じJRなのになんでやってくれないのか不思議だったが、係員の口調は国鉄当時と同じ有無をいわせぬモノがありなにか日本の国自体も表していた。

それなら仕方ない2000円分だけ買う。
ついでに使い方も教えてもらう。

「これって触れなきゃいけないんですか?」

「触れるっていうかね、触れるか触れないかの瀬戸際、かざすだけでいいんですよ」

結局どっちなのだ?日本語は難しい。

「これでバスとかも乗れるんですよね?」

「そうですね、だいたいOKですよ。あと駅のキオスクとかでも買い物できます」

ウーン便利なモノだ。

早速自動券売機の横に置かれているスイカ専用とか書かれた機械で8000円分追加した。
残高証明を見てみる。なんだか銀行のATMみたいだ。

合計1万円。間違っていない。

昨日の成田からずっと感じていたことだが、日本は何でも自動化されていて人と会話する機会が極端に少ない、それはそれで省力化、経費制限の為に日本人が選択した生き方なのだろうが、妙に寒々しい雰囲気が町にあふれている。

また。こうした自動化はあくまで日本人に向けて行われていて外国人にはなんのアナウンスもない。
日本に来た外国人は不便だろうな・・・半ば外国人として日本を観察する俺の目はそう判断した。

なぜか言葉の通じてしまうSF世界。
自動化されきった日本の街は俺の目にブレードランナー日本語吹き替え版に見えた。

早速スイカを使ってキオスクでお買い物。
カードでエロ本買ってやったぜ!ますますブレードランナーだ。


外道風土記、2007年12月12日


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