かつて、外道で連載した『パンちゃん物語』のパンちゃんはタイ北部のウタラディット出身であった。

ネグロさんが執筆したこの連載の反響は大きく、初期の外道に大いに貢献してくれた。
オレはいまだに第二のネグロさんを探している。(なかなかいない)

最終回でパンちゃんは上辺ばかり華やかなバンコクの花柳界から身を引き故郷のウタラディットに帰って行った。
そこで物語は終わっている。

今回赤ハゲ先生の実家ジュラ紀の里に行くとネグロさんに話したところ、ついでにウタラディットに行って写真を撮ってきてくれとの依頼を受けた。
下は他のサイトからパクって来た情報



ウタラディット県・・・ウタラディットはタイ北部地方の下部に位置する歴史ある県です。

この地域は元来「バーンポーターイット」と呼ばれており、ナーン川の右岸に位置するため河川交通の要所とされ、様々な物資が取り引きされる河港として栄えてきました。

ラマ5世の時代にバーンポーターイットは県に認定され「北方の港」という意味を持つ「ウタラディット」という名前に改められました。ウタラディットは7,838㎢の面積を持ち、豊かな自然に恵まれています。

【イントロダクション】
ウタラディット県の、ウタラディットという地名は、『北の港』という意味です。元来は、「バーンポーターイット」とも、呼ばれている。

【地勢】
ウタラディットは、バンコックから、457kmの、距離。
タイの北部地域に位置しています。

県内を、ナン川が北東から西南に、流れ、シリキット王妃・ダムにつながる。
ダムは25,000ヘクタールの広さを誇る。

ウタラディットの県は、ナン川に沿うように広がる。

東南アジアでは、多くのチーク材が、伐採されたが、いまでも県内には、多くチークの森がある。
なかでも、サックヤイ国立公園では樹齢約1500年、幹の太さが最大9.87メートル、高さ37メートルの世界最大のチークの木が、有名である。

【おもな見所】
Lam Nam Nan国立公園 Phrae県, Uttaradit県の2つの県にまたがる。面積は999.15㎢。

Phu Soi-dao National Park サックヤイ国立公園。

Doi Phu Soi Dao 高さ2,102mの山がある。

Ton Sak Yai Forest Park トンサクヤイ森林公園(ウォン・ウタヤーン・トンサクヤイ)
樹齢1500年といわれている「トンサクヤイ」という巨木がある。

The Field of Three-leaf Pines on Phu Soi-dao。

プラヤーピチャイ戦勝記念塔。

ラップレー郡 ラップレー(桃源郷)。

シリキットダム(クアン・シリキット) シリキット王妃・ダム。



とまあ、こんな感じの何でもない田舎町であることが情報からも読み取れる。

ウタラディットは一応タイ北部に属するが北訛りはあまり強くなく、淫売自然保護区とまで言われるチェンマイ・パヤオ・チェンライほどセックスのイメージも強くない。

あらゆる意味で目立たないマイナーな県。
日本で言えば滋賀とか岐阜・佐賀かな・・・いることすら忘れてしまうような県だ。
マイナーマニアのオレにはちょうどいい。

北旅行の帰り道、オレはウタラディットに向かった。

馬鹿みたいに広い国道一号をパヤオの先でプレー県へと向かう道に入る。
道は急に狭くかつ悪くなりスピードは出ないが急ぐ旅でもなくバイクではこの程度が一番気持ちいい。
時折ある標識は『牛飛び出し注意』とかで、のどかなことこの上ない。

プレーをすぎたあたりから急に山道になり、タイには珍しいヘヤピン続きの峠道だ。
問題は注意標識等が一切無いので何もない直線道を140で走っているといきなりクランク、無言でヘヤピンは危険きわまりない。
そんなところには決まって事故った車の残骸や、スリップ痕、死者に捧げた花の残骸などがあり、意味無く恐ろしい。ビビリながら走る。

峠の頂上には、見晴らし台兼土産物売り休憩場があり、オレも一服した。

ソンカーンの時期はどこも地獄のような暑さだがここでは涼やかな風が流れ、景色も最高。
百姓の馬鹿野郎がやっている山焼きのせいでガスがかかっていたのが残念だった。

ここからは30キロほどでウタラディットの町のはずだが一面山ばかりで町が近い予感は全くしない。
ベトコン狩りに来た米兵みたいな途方に暮れる気分だったが、気を取り直して走り出した。

山を下る感じでなだらかな傾斜が続く、突然平地に出た。

北の山地からの谷の始まりなのだろうか?

だんだんと山との間隔は広くなりのどかな農村が続く。

案内標識にいきなり『右折ウタラディット』とある。
曲がるとすぐに『wellcom to Uttaradit』の大きなアーチ門と国王陛下の肖像がでかでかと掲げてある。

タイのどこにでもある田舎町のおきまりごとだ。

そのゲートをくぐり、市内への道と入ったとたん・・・橋が落ちている。
・・・町の入り口がこんなことでいいのか?

一応、補修して仮設橋を架けてあるがオレの中にある嫌な予感がだんだんと現実になってきたようで不気味だ。
ビビリながら仮設橋をわたる。

仮説橋を過ぎて2キロほど行くがまだ町に着かない。
疎らに自動車修理工場や雑貨屋があるのみ、その他は水田だ。

変だな地図ではもうそろそろウタラディット駅に着くはずなんだが・・・もしかしたら、このショボイしもたや群がウタラディットなのか?
だとしたらメーサイ以下だ。

嫌な予感でビビリながら進むとやっと駅に着いた・・・ショボイー!!
オレの想像以上に田舎町だった。

駅前に数件の商店と爆睡中のタクシー運転手がいる。
眠ったような町だった。

日暮れが近づいている今夜はここに泊まることにしよう。
町中をあてどなく走り回るが『hotel』の文字が見あたらない・・・。

フッフッフ・・・無計画旅行にはよくあることだ、どこが町の中心でホテルが集中しているところがどこであるか見当もつかないため、あてどない彷徨を続けることになる。

パッカーの時は面倒くさくて駅で寝てしまった。
しかし今はジジイだ、屋根のあるところで寝たい。

しばらく迷った後、踏切を越えて駅の反対側にでる。

わかった!こちら側が新市街だ。
道幅も広く整備されている。

県庁舎、各種地方行政の役所、駅弁大学、病院などが集中している。
と言ってもとても狭い。

ウタラディット病院の裏通りが新市街の繁華街だった。
その中で一番高い建物を目指す。田舎町で一番立派な建物はたいていホテルだ。

だが、その建物は閉鎖された映画館というかボーリング場みたいな佇まいで、hotelの文字がない・・・本当にこの町にはホテルがないんだろうか?

・・・いや、まがりなりにも県庁所在地だ宿泊施設がないわけない。
恐る恐る入っていくとホテルだった。

結婚式の真っ最中だったようで、田舎モノが精一杯着飾ってごった返している。

seenaraj hotel 8階建て、ウタラディット一の高層建築ホテルだった。

シングル1泊800B(朝食付き)安いー!
疲れていたし即決でチェックイン。

レセプションの女の子、オレがチェックインのための書類を英語で書き始めるといきなりパニック・・・よほど珍しいのか。

一応、チェックアウトタイムを聞くと『7時』なんてとんでもないことを言う。
意味通じてないようだ。

裏からマネージャーが出てきてやっと意味が通じた。
7時は朝食が始まる時間で、チェックアウトは普通に12時だった。

それにしても『チェックアウト』という言葉が通じないのはイラン以来だ。
困りものだが、なんだかうれしくなった。

部屋は普通のビジネスホテル風。
でも日本のそれと比べるとずっと広い。

町で一番高い建物なので部屋からは町が一望できる・・・木が多いな・・・単なる森に見えなくもない。

プールもありソンカーン前と言うことのあって町のガキどもが暴れ回っている。
若い女はいるかと思って目をこらすが、いるのはお母さんばかりだった。

シャワーを浴びて一息つくと、もう日が暮れかかっている。
夕食がてら町をうろつくことにした。

レセプションで簡易地図をもらう・・・タイ語のみ。
それにしても簡単すぎる地図だ。

マネージャーに飯食いたい、どこが中心地だ?と聞くと、にべもなく『ここだ』と言われる。
しかたなく、またあてのない彷徨にでる。

とりあえずさっき見た駅に行ってみる。
駅舎にはいると意外にたくさんの人が列車の到着を待っていた。

時刻表を見ると・・・一日2本。
なんでこんなに人がいるんだ?時刻表の急行の他にも普通列車があるようだ。

旧市街は古くからの市場があり、意味無く汚いが、時刻は6時過ぎだというのにほとんどの店のシャッターは閉まっていて、犬しかいない。

田舎の夜は早いぜ・・・ここは特に早すぎる。
仕方なく新市街に戻った。

あてどなく走り回ると町はずれにロータススーパーマーケットがあった。
ロータスは日本で言うダイエーやイトーヨーカ堂に当たりどんな田舎にもあるスーパーマーケットだ。

こんな田舎町だとエアコンの入っている商店はここだけ。
ケンタッキーフライドチキンの看板を見て不思議と安心してしまった。
店内はどこにこんな人がいたかと思うほどごった返している。

ウタラディットの最新スポットはロータスのようで家族連れやカップルでにぎわっている。
バンコクにあるロータスと商品は同じだが、どこか一モデル前のモノが多く泥臭い。

建物は巨大だが平屋。
土地はいっぱいあるようで駐車場は広大、バイクの駐輪場の異常にでかい。

見渡す限りにピックアップとバイクの海。
ここでは公共の交通手段が限られている。

結局、ホテルの前の屋台街で飯を食い、ぶらつくがオレが探し求めるギラギラしたネオンはない・・・マジにないようだ。

諦めてホテルに帰ってわかった。

ネオンはオレの泊まっているホテルだった。

ホテルの裏手にナイトクラブ「ブルースカイ・カラオケ」があり、大音量のタイ演歌が流れている。
確信した・・・ホテル併設のカフェーだ!
早速レセプションで確認。

「裏のカラオケは何だ?」

「カフェーですよ。ちょうど今日はコラートから!#@$#%^&*&(知らない演歌歌手)が来ています」

「そんなことはどうでもいい。女はいるのか?」

「もちろんですよ!とびきりの美人です」

「何人だ?」

「10・・・いや、6人かな・・・よくわかりません」

イヤーーーな予感がしながらもこれも外道者のつとめだと思い田舎カフェーに潜入した。
入るとすぐにウエイターがきてビールを注文。

9時だというのに店内は人でいっぱい!しかも・・・家族連れ多し。
どうも、ここが市内唯一のエンターテイメントのようだ。

確かにギラギラした衣装を着たカラオケオネーサン(オバサン?)もいて、順に歌を歌っている。
お金の首輪をあげると同席しくれるシステムも同じだ。

だがぎらついた邪な雰囲気全くなし。
家族連れはお笑い芸人身やドサ周り演歌歌手を見ながらトムヤムの大鍋つついている。

ウーン、外したぜ。

まあこんなモノかと諦めて部屋に帰る。

12時前には物音一つしない静寂が訪れた。
オレもあっさり寝てしまった。

翌朝7時頃、この町を去る。

パンちゃんが花柳界から引退して開いた食堂は市内にあるそうだが、ネグロさんもオレも住所はとっくに無くしてしまい彼女を訪ねることはできなかった。

また仮に居場所がわかったところで、この静かな町で平穏に暮らしているであろう彼女に何らかの悪い影響を及ぼすようなことは避けたかったので、初めから探す気もなくただ単に男のセンチメンタルを満たしただけだった。

さようならパンちゃん、幸せに暮らしてください。

くだらないとわかっていても何となく好きだな、そういう男の弱さが。

朝のウタラディットは、涼やかな風が頬を切る美しい町だった。


外道風土記、2007年12月12日

外道の細道、2007年10月29日


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