ヒロポン軍曹、オヤジの喜びに目覚める。

昼過ぎに電話が来る。
軍曹からだ。

こいつからの電話と言えばアナル山本同様、無体な食い放題飯へのお誘いだ。

一瞬どうしようか迷う。

もう焼き肉二十人前でデザートがシャブシャブなんてイヤだ。
そのあと胸焼けして寝られなかった。
しかし時間が少し早い・・・なんか用かな?
出ることにした。

『風呂どうッスか、風呂?』

最近オレたちの間で風呂と言えばオネイサンが一緒に入らない風呂、グッタリサウナのことだ。


最初に誘ったのはオレで、その時はジジ臭いと文句言ってたくせに、風呂から出る頃にはフラフラになりやがり、飯も食わずに『もう自分寝るであります』と自衛隊言葉に戻っていた。

すぐその翌週だ。

『なんだよジジ臭いとか言ってたじゃないか、なにげに気に入ったんだろグッタリ風呂?』

『イヤーーーオヤジの喜びに目覚めてしまったッスわー』

『オネイサンは行かないのか?』

『サウナ入ったあとオネイサンなんてどうでもよくなるッスよ。そんな、ねー。自分もうそんな盛りの付いたガキと違いますよ』

ついその前までオヤジ扱いするとムキになって『自分はまだまだ若造であります』とか二倍寒い事言ってやがったくせに、ここにきて急にオヤジカムアウトだ。

そんな感じでオレたちはメンジャイの達観場

Tharn Thong
675, Soi Rachada Niwet, Pracha U-Thit (Intersection) RD., BANGKOK
TEL.02-690-5613-5, 082-635-9898, 086-068-6815 (Khun Mee Tharn Thong)

に向かう。

前に書いたがここはソープ兼サウナで当然オネイサンもいるが、客の大半はグッタリサウナ利用のオヤジで経営的に成功しているかどうか怪しいところだ。

店の入り口でオネイサンとすれ違う。

良い、・・・大変良かった。
軍曹も煩悩が頭をもたげ苦しいのか表情をゆがめて喜んでいる。

とりあえずサウナに入ってから身の振り方を考えることにした。

いつも通り、ドライサウナ-水風呂−温水風呂x2を1セットとして、インターバルを入れながら、それを3.4回繰り返す。2回目から軍曹の様子が変わった。

温水風呂から上がると目の焦点が合わず、片お稲荷出しながらフラフラしている。

夏の日の変態だ。

『立ちくらみッスわー グワー』

『お前その表情で外歩いたら通報されるぞ』

『目の前がまっ白ッスわ。もうなにがなんだかわからないッスーーー』

『あのサウナ暑すぎるんだから意地張らずに5分で出ろ。温水だって44度もあって半ば拷問だ』

なんだか軍曹はサウナは10分と決めていて、途中から顔真っ赤になっているのに意地張って出ない。
そのあと冷水プールに水死体のように浮かんでいる。

どの角度から見ても健常者ではない。

オレは無理せず5分と決めているので比較的元気。

3セット終わったところで2時間経過。

そろそろ夕方だ。
飯を食いに出かけることにした。

サウナは結構腹が減る。
でもグッタリしているので食欲はない。

腹が鳴っているのにウエッみたいな感じで変な気分だ。

これだけ弱らせれば食い放題とは言わないだろうと安心していたが軍曹が指定したのは寿司食い放題。
・・・・・やっぱりこれか。

オレたちは寿司食い放題499Bの『はんじょう』に行き握りを食った。

二人ともオネイサンのことなんかすっかり忘れていた。

マンコについては悟りの境地に達したオヤジな我々であった。

翌週、違う知り合いを連れていったが、やはり彼も悟ってしまい夜のマンコはパスだった。

どうもオヤジにサウナとマンコの両立は出来ないようだ。

外道の細道、2009年8月30日


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