『オーイェーーー 良い子ねー なっちゃん眠りなさい イェーー!』
などと言われながらなっちゃんな眠りについた。なにも知らないなっちゃんが哀れでならない。
正直オレもお袋がどんな子守歌歌ってくれたのか全然覚えていない。

だが・・・・・オーイェーでは無かったと思いたい。
頼むから違うと言ってくれ。

これに限らず小泉八雲的な民話や童歌の収集はタイでは大変難しい。
オレは何度も聞いたことがある。

『昔話や子守歌を話せ』
大抵は素っ気なく、知らない、とか、忘れた、と言いやがるが、中には涙顔で

『お前はいったいいくつになったんだ、馬鹿野郎!』
などと言って、仕舞いには『あたしには男運がない・・・いつもこんな馬鹿ばっかり・・・』とナルシズムに浸ってやがる女もいた。

違う!そうじゃない、純粋にタイの昔話を知りたいのだと説明しても全然信じてもらえず、いい歳食った男がそんなこと知りたがる分けない、やっぱりお前は馬鹿だ、とさっさと寝てしまう。

あらゆる事にこだわらないタイ人は、外部の人間にとって大変接しやすいが、深くモノを考えない。
またとても保守的というか予定調和に重きを置き、〜らしい、〜であるべき、を大事にする。

うまく表現出来ないが女っぽい大人らしさ、つまりババクサイ。
何歳なんだから、男(女)なんだから、学生なんだから、結婚してるんだから、と人格や行動・言動に定型がある。

そのためその歳や立場にそぐわない言動は敬遠される、いや・・・あってはならないモノとされている。(馬鹿や淫売や百姓など無教養人はその範疇から少し除外されるが、やはり彼らなりに規範がある)

こうしたことはどの国でもあるが、タイはそれがかなりきつい。
彼らがおしなべて平均的・典型的・没個性であることにも関係しているかもしれないが、その理由はわからない。

身分制度の名残かな??

まあいい、ともかくタイ人・タイ社会にエキセントリックな人はいても飛び抜けた才人はあまりいない。

昔話や民話・・・オレはそうした無駄なことを知るのが大好きなのだが、この嗜好を理解してくれたタイ女性は今だ一人もいない。
小泉八雲にはなれそうもない。

オレは不幸である。

10日は憲法記念日で休みだ。12月は休みが多い。HP更新・メルマガ発行ともお休み。

煩悩の夕暮れ、2009年12月9日号


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