続・タッキーの荒行

なんだか当たり前と刷り込まれていて気にもしなかったな。

なんで女と入籍する時に、男の方が一方的にお願いしなければならないのか?
『お父さん、僕にお嬢さんをください!命に代えても必ず幸せにします』

まあタイではここまでベタなことはしないが、なにはともあれ女の親に挨拶に行って頭下げなければならない。

だが内心では、

(こんな馬鹿マンコお嬢なんかじゃねえ)

(だいたい、この女がしつこく『籍入れろ籍入れろ』って呪いのように毎晩に言いやがるから、根負けしてOKしたんじゃねえか。こっちは半ば嫌気がさしてるのに、なんでお願いしなきゃいけないんだ)

と大変不本意だ。
いったい何時からこんな因習ができたんだ。

こっちがお願いされて金でも貰わなきゃ割に合わない。

その上、ハゲオヤジから

『キミ・・・タッキーくんか。ところで学歴は?なに高卒。フムそうか・・・こう見えても我が家はこのあたりでは少し名の通った旧家なんだよ。ハッハッハ、分をわきまえなきゃいかんよ、キミ』

などと言われようものなら、不条理と理不尽のツープラトンだ。

まあタッキーにはそんなことはなかったが、別の意味できつかったそうだ。
誰の種だかまったく信用できないが孕みやがったので仕方なく親に挨拶に行ったそうだ。

『お嬢さんをくださいの儀』は自宅ではなく刑務所の面会室だった。

タッキーのイカレ女房、メーなっちゃんのお父上は、ちょうどその時、1年6月のションベン刑で入獄しており、面会室の鉄格子越しに

『お嬢さんをください』

『なんでもいいけど、金くれー。気晴らしに覚醒剤でもやりたいんじゃー』

みたいなやりとりがあったそうだ。

メーなっちゃんの実家は地元で名の通ったワルの家で、いくつになっても分別のないことで知られていたそうだ。

一族郎党、男は懲役か兵役、女は淫売か下働きの下女と言う伝統を誇っていた。
・・・最低ですな。

元々貧乏だったのに、オヤジの裁判費用捻出のために田畑質入れして金借りたので、小作人に身分を落としていた。
田んぼと水牛取り戻すためにメーなっちゃんはパタヤへと淫売奉公にでた。

そこで白馬の王子、現地採用タッキーとの運命的な出会い。
タッキーにとっては痛恨の一発。

まあよく聞くパターンの話ですな。

ハングルMの時もまったく同じパターンだった。
貧困に理由あり、とはこの事だ。

入籍が具体的に進めば進むほど、メーなっちゃんが隠してやがったバットな事実が次々と明るみに出て、次第にタッキーは無口になっていった。
最近ではほとんど失語症だ。

しかし、タッキーは東北人である。
虐げられ苦難に直面するほど燃え上がる変態気質を産まれながらに持っている。

借金を返して田畑と水牛を取り戻してやり(いくらでもなかったそうだが、それがいっそう今後の苦難を予感させてグッタリしたそうだ)、キャンプしてるのと変わらない状況のあばら屋の屋根を葺き、お母様の仰せの通りにいすゞのピックアップも買った。

此処で完全に金がつき、自分がガンになっても手術費用がなく、危うく死にかけた。

ウーン、偉いぞタッキー!キミは漢だ!
タッキーの荒行はまだまだ続く。

フッフッフ・・・遅れたぜ ケロッパ ケローラ

外道の細道、2010年2月11日


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