ナッチャンに大泣きされる

一年ぶりに会ったナッチャンはすっかり大きくなって、お袋に似てきて可愛い、と同時にこれもお袋に似てしまったのか大暴れ者になっていた。

返事の変わりに蹴り、拒否の印は拳で証明、危険な相手には物陰から石を投げて反撃、と大変健やかに成長されていた。
日本のナッチャンは言語能力が身体の成長を上回っていたが、タイのナッチャンはやはりタイらしく、あまり言葉はしゃべれないが身体的にはゲリラ戦士だった。

子供の頃の方が個体差がより大きいことを実感する。

そう言えば初代ナッチャン(タイ産)も大暴れで最後までなに言ってるのか意味不明だった。
日本のナッチャンが特異なのかも知れない。

タッキーのナッチャンは近所の男に顔が似ていた。
これは家庭の事情なので、これ以上踏み込みたくない。

なにはともあれお土産にドラエモンのぬいぐるみとアイスを買った。
お土産は素早く受け取るものの、オレの顔を見るなりナッチャン大泣き。

ちょうど人見知りが始まる年頃らしいが、その割にはアイスはしっかり爆食いしているし、お袋の後ろに隠れてこちらの様子を窺う。
面白くなってからかうと口からアイスを逆噴射させて再度号泣。

『ウウッ!エクトプラズムのようじゃ』と言うと一同大受け。
周囲の爆笑に驚いてナッチャン一層泣く。
ゴメンゴメン、オジサンはつい余計なことを言いたくなる性分なんだ。

そのうち慣れたのか泣かなくなったが、最後までオジサンとは遊んでくれなかった。
オジサンは家に帰って泣いた。

ところで明日は建国記念日だ。
オレは右翼だし、ナッチャンに嫌われて落ち込んでいるので休む。

外道の細道、2011年2月11日


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