でたな秀家

変な場所にラーメン屋が出来た。
かつて、一夢庵という不吉な名前の日本食屋があったところだ。

ヒロポン軍曹と今一な飯食いながら話したものだ。

『なんで一夢庵なんだ?』

『一夜の夢なんでしょうかね』

『一度だけでも夢見たい脱サラレストランかな?』

『この客入りじゃ、今となっては夢のままでいた方が良かったでしょうね』

『悪い夢だな』

言いたい放題言ったものだ。
それぐらい場所が悪かった。

アソークディンデンの風呂屋アムステルダムより、ディンデン通りを100Mほど南下、周囲になにもなく少し離れて豊田通商がある都心の僻地だ。

当然周囲に日本人が多いとも思えない。
それどころか人がいない。

渋滞酷いが生活感はない。
なんとなく、埃っぽい湾岸工業地帯を思い起こす寂しい土地だった。

駐車場もないので車でも行けないし、地下鉄の駅からは300Mほど歩かなければならない。
あらゆる意味でアクセス不可。
店商売のブラックホールみたいなところだ。

オレは前から気になっていた。
「横濱 家系ラーメン 秀家」と看板が掛かっていた。

家系?横濱??宇喜多秀家ではないようだが・・・考えてみれば宇喜多秀家は島流しにあったような気がするな・・・流されたような場所に在るからだろうか?
イヤイヤ、そこまで卑下する余裕を今の日本人は持たないはずだ。

家に帰ってグーグル。
便利な世の中になったものだ。


[家系ラーメン]
家系ラーメン(いえけいラーメン)は、横浜のラーメン屋、吉村家を源流とし横浜市周辺を中心に広まったラーメンおよび一群のラーメン屋の呼び名とされている事が多い。

定義は曖昧であり、色々な意見や説がある。

豚骨醤油ベースに太いストレート麺で、それらのラーメン屋の屋号に「〜家」とついているところが多かったところから、家系と呼ばれるようになったとも言われるが、それに当てはまらない名称の店も増えた。

店名の「家」は「や」と発音するが「家系」は「いえけい」と発音する。

吉村家またはその系列の店で修行したことを絶対条件とし、味が似ていてもそれ以外は亜流とする意見もある。

[歴史]
関東を中心に展開していたラーメンショップの出身であった吉村実が、1974年にJR根岸線新杉田駅近くに開き、その後、横浜駅近くに移転した豚骨醤油系とされる吉村家が起源とされている。

吉村はその後、本牧家を開業。
本牧家で修行をし、店長を務めていた神藤隆が独立し、1988年、東白楽駅近くに六角家を開業する。

他の弟子たちも本牧家を辞め、怒った吉村は本牧家を一時営業中止し新聞沙汰にもなった。
その後、六角家は新横浜ラーメン博物館がオープンしたときに地元代表のラーメンとして出展した。

また、本牧家・六角家にいた近藤健一が関わった横濱家などが横浜市北部でチェーン展開した。

麺・・・酒井製麺所または丸山製麺所・大橋製麺所などの太いストレート麺が使われる。

スープ・・・大量の豚骨、鶏がらを使った豚骨醤油がベースであり、茶色がかっていることが多い。一般的に味の濃さはきつめで、こってりしている。

具・・・チャーシュー、大型の海苔、ホウレン草が基本。刻んだ長ネギやニンニクがのる店もある。またチャーシューの煮汁で煮た味玉子などを追加トッピングとする店も多い。

脂・・・鳥皮からとられた鶏脂(ちーゆ)が使われる。"家"と店名についていてもこの脂が使われていない場合があり(例:丸千代山岡家)この場合、家系とはされない。

注文方法・・・麺の量(大・中・小)、麺の固さ(固め・普通・やわらかめ)、脂(多め・普通・少なめ)、味(濃いめ・普通・薄め)を注文時に選ぶことができる。

サイドメニュー・・・一般にサイドメニューの点数は少なく、餃子のない店も多い。一方でキャベチャーというキャベツと唐辛子をごま油で炒めたものがある店が多い。これは有料の場合と無料の場合がある。ゆでたキャベツのトッピングがある店もある。

店・・・大部分の店が全面禁煙で、食券制の店が多いこと、麺の固さ(固め・普通・柔らかめ)、味の濃さ(濃い・普通・薄い)、油の量(多い・普通・少ない・無し)などの好みをオーダーして欲しいという旨を表記する店が多いことが挙げられる。



ウーン、なんでもいいけどラーメンごときでオタク過ぎないか?
ラーメンはもっと頭を空にして食う物だと思っていた。

ラーメンに宗家があるなんて知らなかったぞ。
これは心して食わないとオレまで島流しになってしまう。
これ以上どこに流されろって言うのだ。

心細いのでヒロポン軍曹を連れていく。
自衛隊防衛出動だ。

バイクで行ったが、バイクですら停めるところに困る。
強引に歩道に乗り上げて駐車。

これで歩道を歩くことは物理的に不可能になった。
客いない・・・一夢庵の時と同じだった。

客ではないが人はいたフリーコピー(ワイズ)の営業がラーメンの写真撮っている。
取材??イヤ広告の営業だろうか?

店の内装は・・・内装と言った物は何一つなかった。
実に男らしい店だった。

メニューは・・・これも男らしく、ラーメンただ一つ。
味噌だの醤油だの坦々だのと言った物はない。
ラーメンだけだ!秀家、お前は男だ!!

食う前から興奮して汗が出た。

前情報通り、ラーメンの注文方は麺(ゆるめ・普通・固め)味(濃い・普通・薄目)油(多め・普通・少な目)と並み盛り・大盛り・超大盛りとサイズを指定する。

うーー注文するまでに決断力に欠けるオレは疲れる。
初めてでわからないので並み盛り、指定要項はすべて普通。

軍曹は大盛りで普通。
共にオヤジ臭く餃子とライスも頼んだ。

やがてラーメンが運ばれてきた。
一口食う。

こっこれは!濃い、濃すぎる!オヤジ肝臓殺しだ!!

味自体は悪くない。
いや、むしろおいしいラーメンと言って良いと思う。

だがこれは・・・部活帰りの高校生には丁度良いかも知れないが、たいがい肝臓の死んだオヤジにはテロ行為だ。味が実に濃く、油の粘度はもはやカルボナーラ級。

冷やしたらスープごと半固形になりそうだ。
普通の濃さでこれなら、濃い味・油多なら一体どうなってしまうのだ?

濃い濃いと言っていてもうまく伝わらないと思うので、例をあげる。
ラーメンライス専用スープと言った感じ。
ゆるいカレーくらいかな。

自衛隊の缶飯(レーション)で濃い味に慣れているヒロポン軍曹ですらグッタリしていた。
餃子は皮がぱりっとしてうまく、後日食ったチャーシューマヨ丼もうまかった。

問題はすべてに濃いので、チャーシューマヨ丼とラーメンを同時に食うことが出来ないことだった。

結論が出た。
横濱は関西だった。

シーザーの末裔と言われるハプスブルグ家の秘伝スープ、オリオスープは実に濃厚な味がするそうだ。

こういう味なのかな?

きっと違うと思う。
誰か違うと言ってくれ。

高級風呂アムステルダム入浴後に、素の自分に戻るために超ギトギトラーメン秀家で夕食。
または秀家で腹ごしらえの後、アムスで自爆覚悟の決戦にのぞむ。

どちらも外道者としては本望であるが、あまりのギャップに頭がクラクラすること請け合い。
時空と身分を超越した性と食の決戦だ。

当初、メルマガの編集後記として書いていたが興がのって長文になったので外道グルメに転載。



「くれよんツンちゃん」の感想;

外道グルメ「横濱家系ラーメン秀家」を見て行ってきました。

平日午後8時、我々二人組みが入店した時に客はいませんでしたが、そこからゾクゾクと客入りがあり、退店時にはにぎわっていました。

総座席数25くらいでしょうが、15くらい埋まりました。
タイ人家族が一組、それ以外は日本人男性でした。

外道さんのコメントに「こってり半端ねぇ」とあり、多少びびっていましたが、当方30歳、基本こってり派の舌と肝臓にとっては驚くほどでもなく、日本でもよくある程度の濃厚スープかなと感じました。

味は絶品、一緒に行ったラーメン大好きの友達は興奮していました。

もっとも大きい特盛りでも200バーツ、これは本当に巨大です。
トッピングのもやしの量も相当でした。
トッピング各種30バーツ。

雰囲気も、タイのオシャレぶったトレンディラーメン屋というのとは違い、日本にある普通のラーメン屋という感じで落ち着けました。

次回はチャーマヨ丼行ってみたいと思います。
いい店教えていただきました。
ありがとう。(2011年3月4日)


GOURMET DE GEDOU、2011年2月25日


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