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国境に心を惹かれる。
島国日本には陸路の国境は無い。

しかし、アジアには様々な国境がある。
アジアの国境には、そこに生活する人々の匂いがする。

赤土の匂いやすえた食べ物の匂い。
貧しい人々が様々な物を国境を越えて持ってくる。

それを運ぶ男達の匂い。
したたかだけど、憎めないバイタクの運転手。

屈託の無い置屋の少女達。
荷車を押すリキシャ夫。

皆貧しいが、とことん明るい。
彼らの笑顔に出会う度、僕はいつも勇気を貰う。

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今回は、タイとカンボジアの国境の中で、僕が未だ訪れた事の無い地を訪れてみた。
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国道を離れて進路を東に向けると、豊かな水田地帯が広がっていた。

牛と椰子の葉で屋根を覆った粗末な家が点在する景色が延々と広がる中、道路はどこまでも続く。
所々、アスファルトの路上に、車に轢かれて乾燥した蛇の干物が横たわる。

車は不釣合いに立派な道を時速70マイルで快適に飛ばす。
澄んだ風が肌に心地よい。
暫くすると、国境市場に到着した。

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河川敷球場ほどの土地にいくつもの粗末なテントが立てられ、様々な物が売られている。

野生動物の粗末な剥製やトラの牙もどきと、中国製のマルボーロやウイスキーが並ぶ中、日本製の中古自転車が1,000台以上売られていた。

大田区の登録証が貼ってある買い物用自転車や、川崎市立○○中学のステッカーが貼ってある5段変速機の通学自転車等、なぜこの僻地にこれだけ多くの自転車があるのかは謎だ。

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市場から道は山の中に入り、数キロ続く勾配を駆け上がると、稜線上の国境に到着。
国境を越えると、汗の匂いがした。

見るとボロ着を纏った男達が鍋や釜を山のように積んだ荷車を引く。
サンダルを履いた細い脚が赤土を噛み、力強く坂を登る。

裸足の子供達が空き缶で遊んでいる。
遠くに視線を移すと、カンボジアの密林に覆われた山々が何処までも続いていた。
植林も、鉄塔も無い密林の山。

深い緑の谷間に、小さく貧しい人達の集落が見える。
椰子の葉で作られた屋根は、上から見るとカンボジアの赤土に覆われ、それが一層貧しさを強調する。

集落からは焚き火の煙が数本立ち昇っている。
そこで暮らす人々の生活の証だ。

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「30バーツで村に送るよ」
赤土色の服を着た若者が、中古バイクのシートを叩き乗れと言った。
バイクに跨ると、荷車を引いていた男達と同じ体臭が鼻を突いた。

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表面が大きな波状に変形した未舗装の道は、下り坂になると雨によって削られた幾つもの亀裂が赤土の上を走る。
雨が降ると、この亀裂に水が流れ赤土を下方へと流しながら亀裂は益々深くなる。
僕の乗るバイクは、この厄介な亀裂に何度もタイヤを取られ、その度に転びそうになる。

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国境付近には、白人の男と手を繋いだ少女の歩く後姿の先に牢屋が映るモノクロ写真の看板が立てられていた。

ポスターには英語で
「あなたの残りの人生をこの国の刑務所で過ごしますか?それとも家に帰りますか?未成年者との性交渉は犯罪です。犯罪を見かけたらツーリストポリスに電話して下さい」

こんな僻地にも、いや、こんな僻地だからこそ子供を買いに来るセックスツーリストが来るのか?
又は、カンボジア政府の対外的なポーズなのか?
その何れも合っているのであろう。

小学生くらいの子供を数ドルで買春できた国が、いくらユニセフやNGOから非難されようが、僅か数年で子供の人権など真剣に考えるようになったとは思えない。

バイクが村の入り口にさしかかると、刑務所の鉄格子を両手で掴みながら叫んでいる白人の写真には同じく英文で、
「未成年者との性行為の行く末。それはプリズナー」

国境を越えてきた「それ目的」の旅行者の硬くなった股間を萎びさせるには効果がありそうだ。

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バイタクに乗り約2㎞ほど下ると、山の合間に佇む100軒程度の集落に到着した。
木の枝でタイヤの無い自転車の車輪を転がして遊ぶ子供達。

軒先にビールや缶ジュースを並べて売るおばさん達。
積まれた缶は赤土の埃にまみれ、色あせた表面は微妙に歪み、プルトップが無ければその辺の路上に落ちている空き缶と見た目は何ら変わりは無い。

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村に3軒しか無いゲストハウスのひとつに案内される。
狭い部屋には、エアコン、水シャワー、テレビが付いて500THB。

やや高い気がするものの、宿の主人は英語もタイ語も全く話せず、バイタクの男を介して通訳しなければならない。
面倒なのですぐに妥協するが、案の定、後で100バーツのマージンを抜かれていた事が分かった。

硬いベットに仰向けになると、天井が遠くに見える。
植民地時代の名残りなのか、此処に限らず、カンボジアのホテルの天井は必要以上に高い所が多い。

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暫くして、外に出ようとしたところ、突然激しいスコールが降りはじめた。
カーテンを開けると、バケツをひっくり返したような水が大地を叩き、血のように赤い水が土の上を跳ねる。

隣家の椰子の葉で覆った屋根は、水飛沫で白く霞み、このまま村が雨水に浸かってしまうかのような錯覚さえ覚える。

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スコールは一刻足らずでピタリと止んだ。

鉛色に立ち込めた空は爽快に晴れ渡り、山を覆っていた雲は消え、午後の斜陽に緑が輝いて見えた。
豪快に赤い水飛沫を上げて走るバイクが無ければ、さっきまでの豪雨が嘘に思えそうだ。

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ホテルを出ると、さっきのバイタクが待ち構えていた。

「お出かけですか?案内しますよ」

含みを感じさせる淫靡な顔を浮かべ、擦り切れた雑巾で雨粒に濡れたシートを拭いてくれた。

スコールは、大気の土埃を洗い流し、清々しい風が肌に心地良かった。
路面のいたる所にある水溜りを走り抜けると、勢いよく飛んだ水飛沫に遅い午後の斜陽が反射しキラキラと輝く。

ぬかるんだ道を横道に入り、200mほど進むと、道の左側に数軒の家が並ぶ。
その中で、最も立派な家の中庭に入ると、パジャマを着た若いベトナム人の少女達がテーブルに腰掛て麺をすすっていたり、野良犬と戯れていた。

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タイ語ができる肥満体の置屋のママさんは、満面の笑みで僕を迎えると、奥の大広間に通してくれた。

10畳ほどの部屋には、10バーツコインを入れると作動するジュークボックスタイプのカラオケと、プレイボーイの表紙に登場しそうなグラマーな白人女性の色あせたヌードポスターが壁に貼られていた。

表面が擦り切れてスポンジがはみ出したビニールのソファーに座ると、次々と女の子達が部屋に入ってきた。
15-16人ほどの女の子が入ると、部屋は一気に狭く感じる。

窓の無い部屋は薄暗く、セロハンの貼られた蛍光灯がベトナム少女達の白い肌を仄かな茜色に染める。
天井の扇風機が、蒸し暑く液体のような部屋の空気を攪拌し、風向きが変わる度に少女達の放つ甘い匂いが漂う。

在りし日のスワイパーに迷い込んだ錯覚に意識が朦朧となる。

「この子はニャムニャム最高」

「この子は来たばかりでニャムニャムはダメだけど、まだ若いからアソコの絞まりは最高」

ママさんは大きな体を起用に動かして、少女の間を起用にすり抜けながら一人一人紹介していく。
パジャマを着た少女達の中には、色目を使った視線で誘惑する積極的な子もいれば、まるでヤル気の無い表情で能面のように立つ子もいる。

「この子はニャムニャムできるの?」

僕は、扉の近くに立つパジャマを着た小柄な美少女に目をとめた。
ママさんが答える前に、少女は薄いルージュを塗った小さな口から赤い舌を出しチロチロと舐め上げる仕草をしてみせた。

扇風機の向きが変わり、少女のセミロングの黒髪が風にのり空に舞うと、蒸したての小龍包のような可愛い耳がのぞく。

濃い目のアイシャドウが大人びて見えるが、化粧の下の素顔は驚くほど幼い。
花柄のパジャマに目移すと、膨らみかけた胸元から苺の柄のブラが僅かに見える。

「名前は?」

「ムイ」

「タイ語は話せるの?」

「去年まで5年間タイに暮らしていたの」

ムイは僕より流暢なタイ語を話した。

年齢を聞くと、見た目よりも約2歳ほど年が高い。

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僕は殆ど躊躇わずにムイを選ぶと、中庭で彼女がパジャマから着替えるのを待った。

暫くして、車の止まる音に振り返ると、置屋の入り口にジープが停車していた。
よく見ると、車体にポリスと書いてある。

ジープから警官が2人降りてきて、ママさんと話をはじめた。
瞬間、国境で見たポスターの写真が頭をよぎる。

「ポリスが来たが大丈夫かい?」

バイタクの運転手に聞く。

「ノープロブレムだ。ママさんは賄賂を払っているし、ポリスも知っている」

たしかに、ママさんと警官達は顔見知りなのか、親しげに談笑している。

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警官の横を、私服に着替えたムイと一緒にバイタクに跨り過ぎるが、彼らは一瞥もしない。
心臓の鼓動が少し早くなる。

置屋から50mほど離れたところで、後ろを振り向くと、警官が追いかけてくる様子は無い。
やはり、バイタクの運転手が言うように問題は無い様子だ。

安堵に胸をなでおろす。

「ホテルの部屋に備え付けのペットボトルの飲料水はある?」

運転手と僕の間に挟まれてバイクに跨ったムイが僕に尋ねてくる。

「半分しか飲んでないのでまだあるけど、のどが渇いたから途中で何か買い物しよう」

ホテルの手前にある雑貨屋で、スーパードライ2缶を買い、ムイに欲しいものはあるかと聞くと、ファンタ1缶とガムを買った。

しかし、何故かストローを4本も貰うのが不思議だった。

タニヤのカラオケ屋のホステスを連れ出すと、コンビニで生活用品まで買わされて不快な思いをした事が何度かあるが、ムイのつつましい買い物に少し感動する。

田舎の少女は素朴だ。

いや、正確に言えば、素朴と感じた僕が甘かったと後で気が付いたのだが…
感が良い人は、飲料水とガムとストローのキーワードでピンと来る筈だろう。

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さて、ホテルに入り、ベットに並んで座りながら、ムイの服の上から硬い乳房を揉む。
胸の大きさに比べてブラが大きく、乳頭とブラの間に大きな隙間がある。

ワンピースの横から滑るようにしてブラの中に掌を入れる。
指先が乳首に届くと、思っていた通りに小粒だ。

初夏の青い葡萄のような小さな乳首は、指で弄るうちに少し硬くなってきた。

「痛いよ~」

と言って体をよじるが、顔は笑っている。

「感じているの?」

と聞くと一生懸命首を振って答える仕草が大げさで愛らしい。
そのままベットに寝かして上着を脱がせると、イチゴ柄のブラジャーが覗いた。

Cカップのブラは大きすぎる為、簡単に上にずらす事ができた。
ブラジャーの下からのぞく乳房は想像通り、膨らみかけた小さな丘に、淡い桃色の乳首がツンと少し上向きについている。

乳輪も小さく、両手で左右の乳を下方からやさしく包みながら、左右の親指の腹で乳首の先端を軽く押しながらコロコロ動かしてみる。

見ると、ムイは薄い眉を中央によせ、白く小さな歯は、薄いピンクのルージュで塗られた下唇を噛んでる。
つぶらな瞳の先は弄られている自分の乳首を不安げに眺めている。

左手の親指で乳首を転がしながら、右側の乳首を軽く口に含む。
舌先で乳首を転がしながら鼻を押し付けて大きく息を吸ってみる。

まだシャワーを浴びていないため、少し汗の匂いがする。
少女特有の苺ミルクのような甘味な匂いに頭がくらくらとする。

小さく膨らんだ乳の丘陵付け根部分から、僅かに強く唇を押し付けながら、舌先を伸ばしてチロチロと舐めてみる。
時計回りに舌を動かしながら、徐々に乳輪に近づき、乳首の根本からを丹念に舐めた後、乳首の先端を軽く舌先で押してみる。

舌先が再びムイの可愛い乳首を捕らえるが、今度は舌先で乳首の先端を入念に弄る。

「んん…」

小さな乳首の先端に、えくぼ程度にくぼんだ部位を舌が探し出すと、歯の隙間から声にならない息が漏れるのが聞こえる。

唇を噛んで我慢しているものの、耐えられないのか、喘ぎ声というよりも深い呼吸音のような甘い音だ。

更に左の乳首を口に含み同じ動作を続ける。
そして空いた右手を、ムイのズボンの上から軽く撫でてみる。

ズボンはおへその少し上で結んでいるが、ナイロンのズボンは生地が薄く、上から撫でるとムイの下腹部の形が良く分かる。

おへそから下は、僅かに膨らんでいるが、肥満という訳ではない。
まだ完全に大人の体系になる前の少女特有の形だ。

五本の指と掌で生地の上から下腹部の形を観察してみる。
僅かに膨らんだ下腹部は、下にいくと緩やかな傾斜から再び小さな膨らみへと続く。

おへその下の膨らみが柔らかく、掌からはみ出すほどの大きさに対し、もうひとつの膨らみは掌の半分以下でやや硬い。
恥丘と呼ばれる部分である。

成人女性の恥丘と比べ、少女の膨らみは、体の他の部位と比較すると若干大きく硬い。
その分、恥丘から脚の付け根にいたる傾斜は大きい為、少女の恥丘に掌を置き、指先で弄る時には成人女性よりも指を奥に曲げないと柔らかな秘部まで届く事はできない。

勿論、指が届かないわけではない。
恥丘がこんもりとしている為、曲げる指の角度が少しきつくなるのだ。

5本の指と掌に神経を集中し、薄いナイロンの上から慎重に弄ぶ。
ムイの息が少しずつ深くなってきた。

僕は、一旦乳首を弄るのをやめて、ズボンの留め金と紐を解いた。
ズボンを膝下まで下ろすと、グレーのパンティーがあらわれた。

唇を乳首から離し、キスを迫ろうと試みる。
ムイは顔を傾げて僕の唇から逃れようとするが、すぐにあきらめて唇を重ねる。

鼻と鼻が触れ、お互いの息が僅か数センチの距離で顔にかかる。
はじめは、唇を重ねるだけの軽いキスに留める事で少しずつ安心させる。

その後、僕はムイの下唇を口に軽く含みながら様子を伺う。
特に抵抗が無いので、少し大胆に唇を含みながらも舌先でムイの下唇を軽く舐めてみる。

続いて、唇全体を軽く舐めながら彼女の白い歯を舌先で舐める。
歯と歯の間に舌を押し込むと、ムイの温かい舌が僕の舌先に触れた。

はじめは恐る恐る、次第に大胆に、最後はお互いの舌を吸い合いながら、僕らの口の中はお互いの唾液で溢れそうになった。

唾液が口から溢れそうになると、唾を飲むが、こうなると、どちらの唾かは分からない。

僕は、わざと口の中に唾を溜めて、ムイの口の中に唾を流し込んだ。
ムイは喉を動かして、僕の唾液を飲み込んだ。

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一方で僕はムイのもうひとつの敏感な唇にも関心があった。

指先に神経を集中し、パンティーの上からムイの敏感な方の花唇をなぞってみる。
ムイの木綿のパンティーは、ナイロンやポリエステル、シルク等の生地のように薄くない。

その為、パンティーの上から弄っても、指先から秘部の僅かな凹凸を捕らえる事は難しい。

しかし、僕は木綿のパンティーが好きだ。
木綿は水分を吸収する。

僕は木綿のパンティーを穿いている子に出会うと、なるべくパンティーの上から入念に愛撫をするようにしている。

木綿のパンティーは、愛壁の奥から湧きあげてくる透明な分泌液を充分に吸収する。
愛撫を続ける限り、分泌は渇く事無く溢れ、パンティーにシミが広がっていく。

木綿は愛液を充分に吸収し、くっきりとした色でいやらしい窄まりの印を付ける。
はじめは点のようなシミが、次第に親指大の大きさになり、スジ状の形で秘部の形を浮き彫りにしていく。

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角度が深いムイの恥丘に掌をのせ、中指で慎重に秘部の中心をパンティーの上から探る。

弧を描くように指を動かす中で、指に当る僅かな突起の形状から、そこが最も敏感な場所かと推測する。
その部分を指の腹で軽く押すと、ムイの小さな体がびくっと反応した。

「んん……」

声にならない甘い嗚咽を残し、絡めた舌が唾液の糸を引きながら離れていく。

首が後ろに弓反ったのだ。

「ダメ!」

急にムイの左手が僕の手を掴んだ。

「もっと感じたいの」

大胆な言葉に、胸の鼓動が早くなる。

「どうするの?」

「チップ頂戴」

突然の申し出に一気に萎えてしまう。

「お金はママさんに払ったよ。チップはムイがきちんとお仕事した後で払うから大丈夫」

「今欲しいの」

やっかいな事になった。
今までの経験上、こんな事を言う子は、お金を貰うだけで何もしない事が多い。

僕は、少しだけ感情的になって言った。

「今でなければならない理由は何だい」

ムイは小悪魔みたいに悪戯っぽく笑うと

「ナムケンしよう。一緒にナムケンすると凄く気持ち良いよ」

驚いた。
まさかナムケンとは。

たしかに、日本のヤクザは、女を自分のモノにするために、セックスの時にナムケンを使うと聞いた事がある。
僅かな結晶を陰部に塗るだけで、大抵の女は獣のように狂い、時には失神するという。

しかし、こんな少女がナムケンとは、想像外の展開に大きな戸惑いを感じる。
その一方で、ムイが淫乱に狂う姿を見てみたい欲望が風船のように膨らみ今にも破裂しそうだ。

女というにはあまりに幼い少女が、どのように豹変するのであろうか?

「ねえ、しようよ。本当に凄く気持ち良いよ。だからチップ頂戴」

「チップはお仕事が終わったら上げるよ」

「ブンブンする前にナムケンしたいよ。チップくれたら、朝まで何回もニャムニャムしてあげる」

ムイは可愛い唇から赤い舌を出し、チロチロと舐め上げる仕草をする。
淫靡な仕草に情けなくも僕のペニスは再び誇張していった。

それを見越したかのように、ジーンズの上から僕の突起した部分を撫でる。

チップが惜しいのではない。

ナムケンを少女に買い与える事に対する罪悪感が、優柔不断をおこすのだ。
もっとも、一方では少女の体を金で買うことは非倫理的行動ではあるにもかかわらず、罪悪感を感じないのは矛盾しているが…

縁日に並ぶおもちゃをねだる子供のような澄んだ瞳が僕の目を覗きながら様子を探る。
結局悪魔のささやきに負けてしまい、欲望の赴くままに700バーツをムイの掌に握らせる。

「ありがとう」

ムイは早速僕の携帯から電話をすると、3分後には部屋の扉をノックする音がした。
扉を開けると、ホテルの従業員が満面の笑みを浮かべて立っている。

男はムイに近寄ると、700バーツと引き換えに小さなビニールの包みを受けとり、私にクメール語でお礼を言って出て行った。

「ホテルの従業員が売っているのか?」

「従業員じゃないよ。オーナーだよ。この村にあるホテルでは、何処でもアイスにヤーバー、ガンジャに女の斡旋と何でもやっているわ」

「ポリスに捕まらないのかい?」

「この前、タイ人のバイヤーが買いに来たんだけど、足元見て随分と値切ったみたい。此処では1包み700バーツだけど、山を越えてタイに持ち込めば3,000バーツになるわ。バンコクだったら4,000バーツよ。充分儲けがあるのに、えげつない買い付けをしたので、プッシャー屋が頭にきて警察に密告したわ」

「そのタイ人はどうなったの?」

「密告して押収したナムケンの半分を返してくれる条件で警察と取引したらしいわ。約束とおりに、警察が半分返してくれたかは知らないけど、少なくとも警察に売られたバイヤーは、莫大な賄賂を要求された筈よ。払えなければ20年は塀の中ね」

僕は頭が痛くなってきた。
結局、いつでも一番美味い汁を吸うのは警察だ。

さて、無事ナムケンを手に入れたムイは、嬉々として身の回りの道具を集めて器用に吸引器を作り始めた。
ペットボトルの蓋をライターで炙り、ボールペンで2箇所の穴を開けた部分に短長2本のストローを挿す。

塩梅の良い具合に、ストローの長さを調整しながら穴とストローを炙って液状化したビニールを垂らして接合。
その後、チューインガムの銀紙を注意深く剥がし、くちばし状に変形させたストローの先端に貼り付ける。

この部分が炙ったナムケンの吸引部にあたるため、ストローが熱で変形しないように、銀紙で保護するそうだ。
ムイはガムを噛みながら、慎重且つ的確に吸引具を作る。

その後、室内のエアコンを止め、分解したライターを組み立てて、炎が最小限に留まるように調整する。エアコンの風があると、火の具合が分かりづらいそうだ。

ムイはペットボトル(もはや立派な吸引器)に適当な量の水を入れ、ストローを咥えてゴボゴボと音を立てる水泡の状態を見ながら満足げに微笑んだ。

限られた身の回りの材料を使い、僅か10分足らずの間に、ムイは手作りで即席の吸引器を仕上げたのだ。

物質社会に浸された僕ら日本人がムイに見習うべきところは多い。

「食べない?」

ムイは、銀紙を剥がされて、用済のチューインガムを僕にくれた。
僕は首を振ると、戸惑う事無くゴミ箱に放り込んだ。

ムイが欲しかったのは、ガムを包装している薄い銀の膜だけ。
その他は単なる「おまけ」でしかない。

かくして、準備万端となり、剥がした銀紙の上に微量のナムケンを乗せて特性ライターで炙り始めた。

プツプツと小さな泡が透明なナムケンの表面を覆うと、白い煙が立ち昇った。

しかし、煙は瞬時にストローの中に消えてしまった。
ペットボトルの中では、白く濁った水がブクブク泡を立てている。

ムイは長い間息を止めながら、ナムケンの紫煙を肺でじっくりと堪能している。
まるで、愛煙家が、特別な日の為に用意した、キューバ産のコイーバを愛でるかのようだ。

どのくらい時間がたったのだろう。

風の無い密室の中で、火をつけては吸い、そして吐く動作を怠慢に繰り返し、小指ほどのナムケンは、チリチリと音を立てながら銀紙の上で文字通り煙と化していった。

ムイの視線は、焦げた銀紙が増えるにつれ、空隙を見つめるようになっていった。

「気分はどうだい?」

僕はムイの膝を撫でながら尋ねると、虚ろな目で見ながら呟いた。

「もっと吸いたい…」

瞬間、自分の耳を疑ったが、すぐにその意味を悟ると急に腹が立ってきた。

「約束が違うだろう?ナムケンしたら、朝までニャムニャムしてくれると言ったろう」

つい大人気なく、語気を荒げてしまったが、ナムケンに脳みそを浸された耳は人の言葉を聞こうとしない。

「ナムケンはもう無い。買うつもりも無い。さあ、お仕事だぞ」

「ヤーバーでいいよ。一粒80バーツのヤーバーを3粒だけ買って」

ナムケンの次はヤーバーか。
これではきりが無い。

「ヤーバーもダメ」

「分かったよ。じゃあ、ヤーバーを持っている友達を呼ぶから此処で吸っていい?30分以内で終わるわ」

つまり、ムイの友達がヤーバーを持っているそうだが、友達の同棲している恋人が、部屋の中で吸うと怒るらしい。
理解の無い男とムイは吐き捨てるように言うが、理解というよりもきわめて常識的な男に聞こえるのは僕の気のせいであろうか?

少なくともノリピーの旦那よりまともではないか。
ともかく、またしても妥協を強いられたお陰で、ムイとの秘め事は先延ばしになってしまった。

そして予想通り2本目の煙草が灰になる前に、僕の部屋は何人ものジャンキーの友達が集う、プレイルームと化した。

はじめに部屋を訪れたのは、ムイより少し大人びて見える長髪の髪が美しいベトナム系の少女だった。

「すみません、すぐに済みますので」

「いえいえ、どうぞごゆっくり」

思いもよらぬ美少女だったので、ついつい微笑んでしまう。

「ごめんなさい。フェーン(恋人)がヤーバーやナムケンをすると怒るんです。ちょうど、ムイがあなたの部屋に居ると電話があったので、宜しければお邪魔させてください」

体にフィットしたTシャツの上から視姦すると、ムイの膨らみかけた蕾のような乳房とは異なり、胸から腰への括れたラインが凄艶なインスプレッションを与える。

少女と呼ぶには、やや熟した感はあるものの、あどけなさの残る表情は自称18歳に相応しい。
(うまくいけばムイとこの子と3人でできるかも)
よこしまな想像に愚息は正直に反応する。

「私の仕事ですか?普段は、国境のカジノで働いています。ディーラーではありません。お客さんにドリンクを運んだり、灰皿を交換したり、クロークもしますよ」

人見知りするのか、恥ずかしそうに話す様子が愛らしい。
ムイほど、上手なタイ語は話さないが、充分に会話はできる。

少女は、ジーンズのポケットからビニールの薬入れを取り出すと、4-5粒の赤紫色のヤーバーをサイドテーブルの上に置いた。
そして、慎重に歯で2つに割り、片方を予め剥がした銀紙の上にのせて火で炙りだした。

上質なポーランドウォッカのような透明な香りのナムケンとは対照的に、ココナッツホワイトラムのような甘い香りが銀紙から立ち昇る。

たちまち部屋の中はチョコレート工場のような甘い匂いが充満した。
その中で、2人の少女は替わる替わる甘味な吸引を楽しんでいる。

チリチリと音を立て、赤紫の錠剤は燃えていく。
しかし、恍惚とした淫蕩な時間は最後の錠剤が泡立つのと共に終わりを告げた。

さあ、お菓子は全てなくなった。
いよいよ、あどけない少女の体を堪能するときだ。

意気揚々とするが、2人は何やら話し出すと、ムイは僕の断り無く、ひとの携帯で何処かに電話をしている。
今度はクメール語で話しているようだが、やはり意味は不明だ。

「今度は何なんだ?」

人の問いかけに応じず、勝手に話すと電話を切り、2人でベトナム語で話しだした。
不安に満ちた表情の少女がムイに何か話しかける。

しかし、ムイは何か説明すると、すぐに2人とも頷いて安堵の表情を見せるが、僕の顔を振り返ると、2人とも気まずい表情を顔に浮かべる。

嫌な予感がした。
大体に於いて悪い予感は当るものだ。

「もう少し吸いたいんだけど」

「もう充分だろ!」

できるだけ、おとなしく言ったつもりだったが、さすがに僕の顔色が変わったのが分かったのだろう。

「ヤーバーは友達が持ってくるから、お金はいらないわ。30分で友達は帰るから大丈夫。お願い」

結局、ジャンキーとの交渉の余地は無く、数分後に錠剤を持ったおばさんが登場。
さすがにふてくされた僕は、ベッドの端に腰掛け、読みかけの本を読む。

一緒に連れてこられた7-8歳くらいの男の子は、お母さんが隣でヤーバーを吸引している横で、タイ語に吹きかえられた「くれよんシンちゃん」のアニメを見て喜んでいる。

部屋中にヤーバーの煙が充満する中で、伏流煙を吸いながらケラケラ笑う子供。
炙りながら吸引するお母さんと、おねーさん達。

僕が用意した部屋は、ソドムの宴の会場と化してしまった。

さすがに、ムイも遠慮したのだろう。
当初の思惑とは異なり、きっちり30分でムイ以外の3人は部屋を出て行った。

僕は、ベッドに腰掛けて放心としたムイを抱き寄せる。

腰を折ってムイの小さな唇を吸う。
さっきよりも、ムイは積極的に舌を動かす。

少し、暴力的に上着を剥ぎ取ると怯えたように身を引くが、すぐに抱き寄せて唇を吸うと安心して舌を絡ませてくる。慎重にズボンを脱がすと、苺柄の木綿のパンティーが目に飛び込んだ。

ブラジャーと同じ柄の可愛い意匠が少女の年齢を物語る。

舌を吸いながら、一方では再び、パンティーの上から花唇を弄る。
先ほど愛撫した時に覚えをつけた敏感な部分を中指の腹で押してみる。

「あふっ!」

ムイはビクッと体を仰け反ると、全身に鳥肌を立てて悦んだ。
先ほどより、はるかに敏感に感じているのが分かる。

弧を描くようにして、敏感な芽を擦りながら、時々花唇中心の窪みに中指を這わせ細かい振動をあたえる。
たちまち、パンティーの上からもいやらしい染みが浮き上がってきた。

僕は、絡めた舌を離し、顔の位置を秘部の方へと動かした。
そして、両手でパンティーの両脇を掴むと、ゆっくりとパンティーを下ろした。

行為中で最も興奮する時だ。

パンティーを下ろすときは、布の上を外側に折りたたむようにするのが好きだ。

こんもりとした恥丘からパンティーがめくれ、早春に生える若草のような淡い陰毛が目に映る。
陰毛と呼ぶには、あまりにも薄く、産毛のように柔らかい、栗色のダウンのようだ。

目を凝らしてその存在に気が付くものの、少し目を離してみると、おそらくはパイパンと呼ぶ方が適切なくらいにその存在は僅かである。

そして、秘部に密着したその部分を外に折りたたみ、直接触れた箇所についた染みを観察する。
すでに、充分な愛液を吸収したその箇所は、パンティーを剥がすと、朝露に濡れた蜘蛛の糸のように、付着した淫汁が布と秘部を繋いだ。

何ていやらしい糸なんだろう。

秘部に密着していたパンティーの部分の周囲は、愛液がすでに乾燥し、乾いた糊状のようにキラキラ輝いている反面、その中心は、ぐっしょりと濡れ、いやらしく濃い染みがムイの花唇の形を如実に浮き彫りにしている。

人差し指で、その部分を触れると、濃縮した液体はナメクジのように滑りながら指の腹を濡らした。
そして、パンティーを足首まで下げると、ムイは僅かに両足を上げ、パンティーは驚くほどスムーズにムイの体から剥がされてしまった。

僕は、ムイの膝を両手で掴み、ゆっくりと押し広げた。
すると、ムイの両掌が局部を押さえ、開かれた両脚の奥の一番深い部分を覆ってしまった。

「掌を外して」

「何で?」

「大事な場所を見たいから」

「ダメ」

しかし、僕はムイの両掌を自分の両手で包むと、薄いマニキュアのついた指に自分の指を差し込み、指を組んで両掌を敏感な部分から剥がす事に成功した。

慌てて、足を閉じようとしたものの、その前にムイの両脚の間に自分の体を割り込ませ、更にムイの掌を繋いだままで両肘を使い、膝の部分を大きく開帳した。

目の前には、赤ちゃんの産毛のように、あまりにも淡い陰毛の生えた恥丘があった。
更に視線を下げると、脚の付け根の奥に、淡い薄桃色の陰唇が小さな口を僅かに開いているのが蛍光灯の下に煌煌と晒し出された。

パンティーの上から執拗に弄られた秘部は、縦に割れた陰唇の下部から溢れ出る愛液でヌラヌラと滑っていた。
陰唇が恥丘へと延びる先端には、細長い巻貝の赤ちゃんのような秘肉が盛り上がり、クレパスに落ちるその先端には、薄い桃色の突起が肉の壁から僅かに覗いて見えた。

「見ちゃダメ」

自分の一番大切な所を、明々しく視姦されるのがたまらなく恥ずかしいのであろう。ムイは僕に?まれた手で隠そうとするが、僕の指に絡まれた掌は、少女が力を入れても思いとおりになる事は難しい。

勿論僕は言う事を聞かずに、更に体を前に屈みこみ、顔を恥丘に近づけながら、剥き出された桃色の敏感な部分に唇を近づけた。

見ると、不安そうに見つめるムイの顔が、僅かに盛り上がった乳房の向こうに覗いていた。
掴まれた手を解く事が無理と思ったムイは、今度は両脚を閉じようとして、僕の顔を締め付けようとする。

しかし、僕の唇は、ムイのもうひとつの唇の先端のにある突起部分を既に?まえていた。
その瞬間、僕の顔を締め付けていた両脚の筋力は、空気の抜けた風船のように萎んでいった。

「ああっ」

声にならない嗚咽が漏れ、舌先がムイの一番敏感な突起を舐め上げる度に、つま先を伸ばした両脚はビクッと反応する。

もはや、ムイの未成熟な体は弛緩し、掌を解いても僕のクンニを遮ろうとはしなかった。
僕は、桃色に濡れた秘部に鼻を押し付け、大きく息を吸い込んだ。

「ああ、だめ汚いよ」

ムイが切ない声を上げる。
まだシャワーを浴びてないその部分は、汗の匂いと、おしっこの匂いがした。

初めは、恥じらいと戸惑いに躊躇がみられたが、次第にクンニを続ける内に腰が浮き、そして何かを求めるように小刻みに腰をスライドするようになった。

ムイは自分で強弱をつけながらグリグリと僕の唇に自分の秘部を押し付けてくる。

「ジュルジュル…」

わざと大きな音を立てながら、透明な分泌液をすすると、短い悲鳴を出して背中を反らせる。
僕は体制を変えながら、ムイの愛液で濡れた自分の唇で、ムイの舌を吸いながら一方の掌では秘部への愛撫を続ける。

指の先が敏感な突起を捉える度に、脚がビクッと痙攣する。

ムイは、僕のペニスを握ると、そのまま自分の秘部に押し当てようとしたが、はやる気持ちを抑えて口でのご奉仕を要求した。

ムイは、特に嫌がる様子も無く、僕のペニスを口に含んだ。

朝にシャワーを浴びただけで、その後トイレで数度放尿したペニスは、とても清潔とは思えないが、ムイは一日の恥垢に塗れた僕の亀頭を躊躇する事無く口に含んでくれた。

生暖かい感触が、ペニス全部に包まれると先端にムイの舌先のコロコロとした感触を感じる。

亀頭の先端を口に含みながら、舌先で尿道を舐める快感に、そのまま口の中で放出してしまいたい誘惑に駆られたが、可愛らしい秘部の感触を確かめずに果てる事は避けたい。

僕は、少女のご奉仕で固くなったペニスを秘部に当てながら、最も敏感な亀頭でその感触を味わった。
ゆっくりと大陰唇に当てながら、先端を少しだけ出し入れする。

亀頭でのあまりにも焦らした愛撫に、堪えきれないように自らの腰を小刻みに動かした。

二人の結合している部位は、お互いの溢れ出した分泌液が潤滑の効果を成し、屹然とした快感の世界にまで感度を高めていった。

充分な頃合を見て、僕は一気に最深部まで亀頭を押し込むと、僕のペニスは完全にムイの肉壁に埋没した。

「んんっ!」

篭ったような声にならない悲鳴を上げると、自らの腰をいっぱいに突き上げて接合をより深いものへと誘う。

ムイが腰を突き上げると、目の前に殆ど毛の無い恥丘が浮き上り、少女との性交の現実的な光景に、興奮は水に入れた風船のように膨張していく。

然しながら、少女の肉壁に入れた感触を楽しむ間も無く、ムイは激しいピストン運動を要求する。
僕はムイを上に乗せると、彼女の獣のような要求に全てを委ねた。

主導権をとったムイは、僕の上で激しくスライドし、何度も未成熟な体をバウンドさせ、髪を振り乱して悦んだ。
半眼を開けた瞳は瞳孔が拡き、恍惚とした表情は全てを本能に任せているかのようだった。

僕は両掌を膨らみかけた乳房を鷲?みにするが、激しい上下運動に、掌すらその動きに着いていく事は困難に思えた。

暫くの間、踊るように体を躍動させた後、短い叫び声を放ち、ムイは僕の上で果てた。
結合したまま、僕の上に体を重ね、荒い息に合わせて横隔膜が躍動している。

抱きしめると、ムイの背中は汗でびっしょりになっていた。

背中から臀部に掌を這わすと、こんもりと盛り上がった白いお尻にも細かい汗の粒が浮き上がり、びっしょりと濡れていた。

更に掌を下方にずらし、結合部分を指先で確かめる。
お尻にの深い切れ間の先には、汗とは明らかに異なる液体が付着し、触ると滑った感触がする。

中指の先がやや盛り上がった蕾を捕らえた。

僅かな突起だが、その形状から、そこがムイのもうひとつの敏感な部分である、アナルと分かるのに時間はかからなかった。

結合部分に付着した粘液を指にたっぷり掬い取り、円を描くように萎みの部分を愛撫する。
もちろん、その僅か2cm下部には、僕のペニスが未だ根本まで挿入されたままだ。

指先でやさしく愛撫すると、くすぐったいのか、括約筋により、アナルと陰部がきゅっと締まる。
当然、未だ膨張したままでムイの体に埋もれた僕のペニスも、括約筋の締め付けに快感が襲い掛かる。

「はああ…」

既に果てた筈のムイも、アナルを指先で愛撫されているうちに、感じてきたようだ。

少しずつ、アナルの中心に愛撫の焦点を合わせ、一気に中指の挿入を試みる。
一瞬、ムイの体が硬直したが、充分な愛撫で揉み解したアナルは、愛液の効果も手伝い、驚くほどスムーズに指を奥まで受け容れた。

中指の根本まで押し入れると、指は少女の直腸壁にしっかりと締め付けられていった。
少しずつ、指をアナルの中で動かすと、その度に膣とアナルが伸縮する。

その動きを指とペニス全体で感じながら、そのあまりにも淫靡な感覚に耐えることが出来ず、僕は少女の中で果ててしまった。

結局、アイスとヤーバーで感度が頂点に達したムイは、その後更に僕のペニスを頬ばり、深夜まで淫蕩な時間を過ごす事になった。

その後、お互いの精力を吸い尽くし、すっかり疲れ果てたムイは、僕の腕の中で自分の十数年の人生を語ってくれた。

幼年期をカンボジアの農村で過ごしたムイは、12歳の時に両親と一緒にバンコクに移住した。
ベトナム人であるがために、自分の土地を持てないムイの家は、いつも貧しかった。

「学校なんて行けなかったわ。食べ物が無いので、トカゲやカエルを捕まえるに精一杯」

そう語るムイは、生まれ育った村には良い思い出など無いと言った。

バンコクに来た家族は、仕事を探すが、違法就労を理由にまともな仕事を貰える機会は無く、母が夜の世界で働くのに時間はかからなかった。

母がタイ人の集まる安カラオケ店で買春をするようになり、ようやく一家は安定した現金収入を得る事ができた。
ムイは、カンボジアから、孤児達を連れて来て、スクンビットの路上で乞食や、バービアでバラの花を売らせた。

「ナナプラザ周辺の子供達が一番多く稼いだわ」

12歳の少女が元締めをし、幼児達から金を集める。
暫くは、暮らしが安定したという。

しかし、1年もしない内に父が病気で倒れてから、家計は火の車になったそうだ。
アユタヤの日本人相手のカラオケ店の方が儲かる。と聞き、一家はバンコクからアユタヤに移った。

母は、仲介を得て、アユタヤのカラオケ店で働く事ができた。

周辺の工業団地で働く独身日本人の多くは、アユタヤから会社に通い、夜になると近所のカラオケ店で昼間の鬱憤を晴らす。

母は、タイ人相手に体を売るより遥かに稼ぎは良いと言った。
しかし、ムイの稼ぎは無くなり、更に病気で倒れた父の治療費で、一家は依然貧しかったという。

そんなある日、母の勤める店の経営者から「アイス」の販売を持ちかけられた。
経営者の本業は警官だが、副業でカラオケ店の経営も行っている。

職業柄、現金を上司に上納しないと、将来の出世は勿論、下手すると深南部の国境警備に飛ばされる。
そこで、自分の経営するカラオケ店を通して、押収したブツの転売を図ったそうだ。

足が付かないよう、「ナムケン」の販売はムイが請け負った。

母の体を買った常連の日本人に話しを持ちかけて売る。
取り分は、警官が7に対し、ムイが3。

警官が絡んでいるので、不法就労による強制送還を恐れる事も無い。
警官としても、押収した「ナムケン」の横流しに外国人であるムイを使うのは都合が良かったそうだ。

ヤバくなれば、すぐに売人であるムイとその家族をタイから追い出せば良いのだから、双方の利害が一致したのだろう。

「○○社の○○さん知っている?よくナムケンを買ってくれたわ。○○社の独身社員の男は、殆ど私から買ってくれたわ」

ムイは、得意になって話してくれた。

日本人なら誰でも知っている大手一部上場企業の名前がいくつも出てくる。
プッシャー屋の商売は順調だったという。

そのころ、ムイは「ナムケン」の味を覚えたという。

30半ばを過ぎた母は、売春婦としての盛りは既に過ぎていた。
しかし、その分を補填して余りあるほどムイの商売は順調にいった。
随分と金になったという。

時計も携帯もその時に買ったそうだ。

アユタヤに住んで2年間は順調だった。
しかし、順調な生活は長くは続かなかった。

ある日、母が倒れた。
過労による極度の疲労と栄養失調で入院を余儀なくされた。

娘が売る「商品」に手を出した母が、やがて「ナムケン」に体を蝕まれていく姿が瞼に浮ぶ。
母の入院は、ムイの商売に大きな打撃となった。

カラオケ店で働く母の紹介で得た顧客との連絡がつかなくなった。
ムイは母の替わりに働かせて欲しいと言ったが、誰が見ても未成年の少女を働かせる事はできないと断られた。

母と二人で貯めた僅かな貯金は瞬く間に消えた。

幼いムイの肩に、父母二人分の治療費は重くのしかかった。
ムイを気遣い、病気の両親はカンボジアの田舎に戻った。

母の紹介で得た日本人に「ナムケン」を売りながら、どうにか暮らしていったが、赴任期間の満了と共に、櫛の歯が抜けるように、ひとり、又ひとりと顧客は減っていった。

ついに、約二万バーツの借金と引き換えに、ムイは置屋に売られていったという。
ムイ1○歳。タイに来て3年目の冬の事だった。

僕の胸の中で、ムイは淡々として自分の半生を語った。
そこには、憐憫も悲哀の情も無く、ただ己の辿った道を綴るだけの荒涼とした風景が広がっていた。

「これから、どうするの?」

僕が問いかけると、

「先ずは、二万バーツの借金を返す事ね」

とムイは答えた。

「体を売った稼ぎの6割が自分の分になるの。その中から借金を返せば、近いうちに開放されるわ。そしたら、タイに密入国して、ナムケンを売りに行くわ。アユタヤなら5倍、バンコクなら7倍の値段で売れる。最初に売ったお金で携帯を買うの。ノキアのニューモデル知ってる?」

ムイは眼をキラキラ輝かせて未来を語った。
しかし、稼いだ金の全てはヤーバーとナムケンに消えてしまうそうだ。

置屋のママさんは、少女達が早く借金を返すために、職場でのヤーバーとナムケンの使用を禁止したらしいが、女の子達のストライキに合いあえなく降参。

最後には、ママさんは自分の金のブレスレットを質屋に入れてつくった現金でヤーバー女の子に買い与えてストライキは見事成功したらしい。

翌朝、僕は睡眠不足で腫れた眼をこすりながら、国境へ向かうバイタクに乗った。

僕がホテルを出る少し前にムイは部屋を出て行った。

「これを持ち帰って、どこかに捨ててくれ」

僕がムイの作った吸引器具を渡すと、片手でグシャッと潰してバッグの中に押し込んだ。

トイレで着替えを終えたムイは、僕から100バーツのチップを貰うと、ありがとうと言い、僕の頬にキスをして踵を返して出て行った。
その後、トイレに入ると、潰れた吸引具が便器の中に浮んでいた。

国境の小高い丘の上から来た道を振り返ると、昨日と変わらぬ風景が広がっていた。
しかし、僕の胸の中は、貧しいながらも僅かなヤーバーを分かち合って生きる村の人々の優しさと温もりで一杯だった。

東南アジアのどん詰まり。
この先には、見えない線で引かれた国境しかない辺境の地で暮す人々は、常に助け合わなければ生きていけない。在る者が無い者を助ける相互援助の世界があった。

「又、彼らに力を貰った」

睡眠不足で頭は重かったが、昨日国境を越えた時よりも、僕の足取りは軽かった。

「ポンッ!」

係員の押したスタンプには「Departure」と記されていた。
自分自身の新しいDepartureを胸に、僕はカンボジアを背にして初めの一歩を踏み出した。

企業戦士夜の紳士録、2009年10月13日


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