記念すべき第一回は、知る人ぞ知る(オレは先日まで知らなかった)パッポン2にある焼鳥屋”桔梗”を紹介したい。
なにしろこの店はわかりづらい所にある。

パッポンに足繁く通っている人でもその存在を知る人は少ないのではないだろうか?
なんでこんな所にあるんだ?

妙な所にあり、古ぼけた看板は廃墟のようで、とても営業を続けている店には見えない。

パッポン ソイ2にあるフードランドをご存じであろうか?
食品中心の24時間スーパーだ。客層は最低最、100%淫売など風俗関係者及びせっぱ詰まったマンコ買い男で占められている。

話はそれるが、フードランドの客層がいかに最低かをオレの経験からひもといてみよう。
ある夜、ナナプラザそばのスクンビット ソイ5にある同チェーン店で買い物をしていたところ、後ろからタニヤ地方の日本語が聞こえた。

「あなたー こんにちわー 日本人ですかーー?」

「・・・なんですか・・・」

「時間ありますかー 遊ばないー やさしいねー」

「・・・もしかして、お前はここで商売してるのか??・・・ここスーパーだぞ」

「お客さん少ないでしょー わたしアルバイトでしょー しょうがないでしょー」

タニヤンジャパニーズとしては中級程度だった。
日本人クラブ勤続2−3年と言ったところか?

特定のハゲが付着していないため、一定のレベルで日本語の進歩が止まっている使えない淫売だ。
こうした淫売は大きく二つのタイプに別れる。

1:姿形が気持ち悪い。つまりブスだ。

2:容姿の良さが裏目に出てしまい、ロクに日本語も覚えないウチにチヤホヤされ過ぎて性格が最低になってしまい、長期間のハゲ保存が出来なくなってしまった淫売。

オレに声をかけてきたのは2のタイプだった。
チョンの間には最高とも言える。

こうしてオレはプリンを買いに行って、マンコを買って帰るハメになった。

すっかり話がそれたが、桔梗はこの最低スーパー フードランドの2階 駐車場の奥にひっそりとたたずんでいる。

入り口が駐車場のため、前に車が止めてあると何処から入って良いのか分からない。
なんとか迂回路を見つけて入り口に進入する。
いきなり登りと下り、二つの狭い階段が現れる。

決して下ってはならない!
パッポン2の裏はバンコク一有名なカマ(ゲイが多い)場 シーロム ソイ4に通じているため、階段の踊り場でカマのアナルファックの現場に出くわすことになる。

階段は昇るものだ!
この場合は必ず!!

やがて店のドアが現れ、その前に下駄箱がある。
この店では土足厳禁だ。

一歩店内に入ると、異常に狭い店と、ひしめきあった客の姿が目に飛び込んでくる。
すべて席が埋まっても20人ほどしか入れない狭さだ。

天井も低く、ガード下の焼鳥屋のような風情にオレは圧倒された。
正直に言おう、オレはこうした狭い空間が大好きだ!
育ちが悪いとも言う。

すっかり忘れていたが、今回のナビゲーターを紹介しよう。オレをこの店に連れてきたのは、真性人間ゴイケ、また女房に逃げられたそうだ・・・関係なかった。

ゴイケは典型的な営業向き人間だ。

つまりお調子者で、口がうまく、いい加減で安請け合いの上、約束はまともに守ったためしは無いが、人付き合いは非常に良い。

こうしたサンクチュアリみたいな場所を知っているのもヤツのつき合いの広さを証明している。

一般にバンコクにある日本食飲食店(居酒屋も含む)は何でも屋になりがちだ。
場所柄の客層を特定しづらい為、寿司もシャブシャブもモツ煮込みもカレーライスもあります、と言う店がほとんどだ。

こうした品揃えで味のレベルを保つのは不可能なので、結局どれもいま一のお味になってしまう。

桔梗はこうしたことをせず、焼き鳥一本槍の数少ない専門店なのだ。
日本人のオーナー兼マスターがカウンター内で串を焼いているのもよい。

火力は炭火だ。

日本では焼鳥屋のオヤジが、ネギ間焼きながら自分で客と世間話をするのは当たり前だが、バンコクではなぜかこの当たり前が守られていない。

タイ人の料理人に適当に作らせ自分は集金だけ、客の相手をするのは、なぜかミニスカートをはかせたウエイトレス(大抵ブスなのがいただけない)のたどたどしい日本語だけだ。
いかに客と商売をバカにしているのか分かる。

オレとゴイケは狭い店内のカウンターに座る。
4人以上でないとテーブル席は使えそうもない雰囲気だ。
ほぼ満席でマスターも二人いるウエイトレスも忙しそうに働いている。

マスターが串を焼く姿はキビキビとした職人の姿だ。
動きに無駄がない。

まず、ネギ間・鳥皮・つくね・レバーを注文し、ビールで乾杯する。
オレはあまり酒を飲まないし、ゴイケは昨夜、タニヤ「屋根裏」のカウンターで眠り込み、寝ゲロを吐いた上、始末に困った淫売達の手によって路上に捨てられたそうなので、今日は酒を控え軽くビールと言うことになる。

なぜかビールは最初の一口がとてつもなくうまく、その後だんだんイヤになってきて、最後は「まだいたのかこの野郎!」と言った気持ちになる。
何かに極めて似ているような気がするが、なぜかいまは思い出せない。

次々と焼きあがった串が出てくる。

鳥皮・・・焼き上がった皮は、油をしたたらせながら軽くめくれ上がり、香ばしい匂いをまき散らす。
口に入れるとグニャとした食感があり、脂肪でも肉でもない不思議な味だ。
甘い味というのが適当だろうか?
あまり動物の皮を食うことはないのだが、鮭の皮を炙った物も同様に皮にこびりついた薄くて甘い脂肪の味がする。

しつこいがうまい!
これくらい焼鳥屋のカウンターで食う方が美味い物はない。
あまりに美味いのでお持ち帰りにしたことがあるが、さめた鳥皮は冷めたピザ以上に不味い。

徹頭徹尾、焼きたてをカウンターで安酒飲みながら食う物だ。 

つくね・・・つくねってこういう食い物だっけ?
この店のつくねは、フンころがしが転がしているウンコを三つ串に突き刺したような団子式の焼き鳥だ。
オレが知っているつくねは、アイスの棒みたいなのに粒の粗い下利便を擦り付けて焼いたようなアイスバー状の物だったが、正直オレはあまり好きでなかった。

おでん屋にはいると好きでもないのに惰性でチクワブを注文してしまうように、なんとなく惰性で毎回注文する物だった。

ここのつくねは美味い!
挽肉ボールを焼いただけとは思えない香ばしさだ。
オレのつたない表現力では言い表すことが出来ない。
是非注文して貰いたいお勧めの一品だ。

ネギ間・・・ネギ間ですとしか言いようがない。
しかし美味い。

忘れていたがこの店の焼き鳥は、タレしかなく塩はない。
このタレが甘辛味の絶品なので、あとは素材さえ丁寧に選んでいれば自然と美味くなる。
長年繁盛を続ける秘訣だろうか。

レバー・・・子供の頃はこれが大嫌いだった。
なぜかオヤジになると好きになる不思議な食い物だ。

ここのレバーは変な臭みや、妙なスジみたいな物が付着していない嫌みのない味だ。
これなら子供でも食えるかな?

ゴイケは寝ゲロ吐いたくせに、まだなにか注文いる。
ついでにビールもう一本。 
 
豚串・・・脂身のないサイコロ状の豚肉を串に刺して焼いた物。
単純で素朴な味だが、柔らかい豚肉を少量の唐辛子をまぶして食うのはこんなにも美味い物だったのか。

これはタレだったかどうか覚えていない。
かなり酒が入ってきて記憶があやふやだ。

漬け納豆・・・初めて焼き鳥以外のメニューだ。
この店は焼き鳥以外のメニューがあまり多くない。

ほとんどをマスターが一人でやっていると思うとこれが限界なのだろう。
ヅケナットウと読むそうだ。
オレはこんな食い物知らない。

納豆は通常単独で生き残れない食い物だ。
炊き立ての熱い飯があって初めて存在意義のある食い物になる。

他に活躍の機会があるのはイカ納豆くらいだ。
オレはイカが嫌いなので飯以外で納豆に出会ったことはない。 

これはなんと言えばいいか・・・飯無しに食える味付き納豆みたいな感じだ。
小鉢に出てきて酒のあてによい。
マスターに製法を聞くと、納豆を焼酎となんとかに漬けてほっておくと出来るそうだ。

少し酒臭く、納豆をさらに腐らせたような味だ。

「こんなの食ったの初めてだな・・・」

「新潟のある地方にしかありませんよ」

「どこで売ってるの?」

「売ってる所なんてありませんよ。自家製です。地元でも皆家で作ります」

マスターは新潟の人だそうだ。
穏和で優しそうな顔立ちや口調だが、怒りだしたら怖そうな印象を受ける。
焼鳥屋のオヤジとしては理想的で話題の幅も広い、こうした人柄も客を引きつける魅力なのだろう。

他にも野菜炒めや塩鮭、その他諸々を食う。
酒が入るとなぜか大量の物を食ってしまう。

食事メニューもあるので、孤独なオヤジは軽くビールの後にこうした食事をして帰路に着いている。
シーロム辺り働く独居オヤジにとっては、女抜きで飲める気楽な酒場兼飯屋なのだろう。

タイは異常に簡単に女が手に入る国なので、住み着いているヤツにとって、女のいない店はかえって貴重な存在といえる。

塩鮭・・・これも一言コメントしたい。
現在の健康減塩ブームに乗って、すっかり鮭は甘くなってしまった。

オレは焼くと表面にびっしり塩が浮き出てくるような塩鮭がなつかしくなることがある。
そう、バアちゃんの家で食った塩鮭だ!

この店に塩鮭はそれを思い出させてくれる。
健康などはなから無視だ!
美味ければそれで良い!!

不思議な形容だがオレはこの塩鮭に「男気」を感じてしまった。

たらふく食って、酒も入り、すっかりグッタリオヤジとなったオレとゴイケは、しつこい事に仕上げの儀式に取りかかった。

大抵最後は、お茶漬けかおにぎりにみそ汁で締めだが、今回はもう食えない、汁物で終わることにした。

シジミ汁・・・タイにはシジミいないのかと思ってた。
マスターによると日本のそれより少し小振りだがいるそうだ。

タイ人はこの貝を食わない。
身が少ないからだろうか?

日本ではダシを取るのにこの貝を使うがタイにダシはない。
料理は常に味をギトギトにつけ、味覚のセンスは関西人だ。
つまりタイでは用無しな貝なのだろう。

この店のシジミ汁(シジミのみそ汁)はラーメンですか?
みたいなデカイお椀に出てくる大盛りみそ汁だ。

なぜかこうしたセコイ食材の日本食の方が海外生活では恋しくなる。
ウーン、この貧乏くさい味が好きだ。

いい加減酔っぱらい、腹一杯になったのでお会計、二人で1200バーツぐらいだったかな。
ロケーションといい、狭さ加減といい、リーズナブルなお値段といい、3拍子そろった外道酒場だ!

桔梗(キキョウ)
場所:パッポン2 フードランド2階の駐車場
電話:しるか
席数:宴会には向かない少なさ
歓楽街へのアクセス:パッポンの中にある
客層:オヤジ多数 パッカー少々 淫売は来ない
ご予算:考えなくても良い

GOURMET DE GEDOU、2005年10月13日


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