同時多発テロからちょうど一年が経った。
思えばあの日、ヘロヘロの廃人だったオレは、まともな思考が出来ず、コーヒーを沸かそうとキッチンに行き、ふと目に留まった部屋の惨状に、大掃除を始めてしまうような大イカレだった。
そんな自分のイカレ具合に嫌気がさし、掃除を途中で放棄してTVを付けると、何故か高層ビルが崩れ落ちていた。
確か、CNN のニュース速報だったのだが、網膜を通して脳に伝わる情報を、冷静に判断できないオレは「また、金のかかった映画つくったもんだなー・・・今度メリーの子と一緒に見に行こう」などと思っていた。
考えてみれば、ニュース速報で映画のプロモーションをやるわけ無いのだが、あまりに現実感のないその映像と、判断力を失ったオレの脳味噌は、それを現実だとは認識せず、しっかりと事実認識が出来たのは二日経って素面にもどってからでした。
と言うわけで、オレにとってこの日の思い出は「ビル映画=風呂屋の子=帰りにタイスキ食って1発」というものです。
世界が泣いたあの日から、ちょうど1周年の今日、コラートにいるオレは謹んで哀悼の意を表し、世界平和と人類愛を訴えに、ビンラディンTシャツを着てペガサスに行こうと思う。
・・・あんまり進歩がないなー・・・
煩悩の夕暮れ、2002年9月11日号(購読者数より推定)