1.概要

今回は、百姓外道さんからリクエストのあった、カパオを取り上げます。
こう発音なさるということは、百姓さんの奥さん、または愛人もヌア人ですね。

日本在住タイ人でも、菜園をやっているのは全てヌア人です。
野菜でさえ、金に見えてしまう守銭奴ですね。

シソ科の一年草(タイでは多年草)。
日本名ホーリーバジル、またまたハーブです。

これだけ、毎日ハーブを食い続けているから、タイ人には癌、糖尿、高血圧等の成人病が少ないのでしょうね。
健康が気になる方は、タイ料理をドンドン食べましょう。

でも、僕は不健康でも美味しい日本料理が食べたい、タイ料理はプージンヌアだけで充分です。

同種のものでレモンバジル、シナモンバジル、スウィートバジルもタイ野菜ですが、作り方はホーリーバジルと全く同じです。



2.畑の準備

これは要するにシソです。
日本でも、出荷している農家は別として、家庭用にわざわざシソを栽培している人はいないでしょう。
前年のこぼれ種から勝手に生えてくるのです。

タイ野菜って、セロリ以外はこんなのばっかりだよ。
このこと一つとっても、タイ人の実態がわかるでしょ。

こんなものばっかり栽培していると、百姓としての自尊心に傷がつきます。
ということで、畑はいつものように、テキトーに鶏糞をブチ撒けて、いいかげんに耕せばそれでお終いです。

プランターの場合は、株も大きくなりますので肥料不足も考慮して、培養土を使った方が良いでしょう。



3.種まき

これをハーブとして育てるなら、3月中旬に室内や温室等、暖かい所でポリポット等に5,6粒づつ蒔いて下さい。
種が非常に小さいので、注意して蒔いて下さいね。

覆土は種が小さいので、しないほうが良いでしょう。
種蒔きが面倒であれば、スウィートバジルなら5月初旬から、他のバジルも下旬には、ホームセンター等に並びますので、それを買って植えて下さい。

しかし、ここは外道の細道です、野菜として育てるのなら、こんな面倒臭いことにも金も使ってはいけません。
5月初旬に直播きしましょう。
しかも、こんな小さな種を点蒔きとか筋蒔きなんて面倒臭い、心を泰にしてバラ蒔きしてしまっても大丈夫です。



4.手入れ

バジルは成長が始まるとすぐに花を持ちます。
しかし、花を持つと株自体が弱ってしまうので、花穂はすぐに取り除くようにして株を大きく育てましょう。
これがバジルの本来の育て方です。

しかし、タイ野菜として収穫するなら、もっと怠惰にやりましょう。

まずは、間引きしながら、若苗も食べます。
花穂がついても無視します。

するとどうでしょう。

こぼれ落ちた種から新芽が次々と出てきます。
これも、間引きしながら野菜として利用する。
ものすごく、タイランドチックでしょ。

こうすれば10月半ばまで、若い葉っぱがいくらでも収穫できますよ。
そのためにも雑草の駆除だけはこまめにやって下さい。

害虫の心配もまずいらないでしょう。
それどころか、こんな臭い野菜ですので、害虫も逃げていきます。

僕はこれを利用して、菜っ葉類とバジルを同じウネに混作します。
そうすると、無農薬で小松菜やサラダ菜を収穫することが出来ます。

タイ野菜を利用して、日本野菜に利益をもたらす。
そう、タイのような後進国家は、日本のような先進国家の利益のためにのみ、その存在を許されるのです。

我々にとっても、日本製の穴より、タイ製の穴の方がずっと安いでしょ。



5.収穫

4.で述べた通りに収穫して下さい。
大きくなった株も側枝はドンドン収穫しちゃってかまわないです。

ただし秋も深まる頃、種だけは来年のために取っておいた方が経済的です。



6.考察

先日、Hさんという百姓と話す機会がありました。
この人は専業で小松菜だけを作っているのですが、H農園ブランドとして有名デパートや百貨店に卸しています。

小松菜なんて、家庭菜園の初歩の初歩なのですが、このブランドの小松菜は色も形も見事で、歯ごたえも値段も最高です。

「どうやって作っているのですか?特別な品種ですか?」と聞いても、「いや、普通の小松菜だべ。これ以上は商売上の秘密だから教えられないな」

しかし、酒を酌み交わすうち、こちらの農業知識も理解してくれたHさんは、別れ際に小声で、「秘訣はなあ、燐を効かすんだよ」そして、こちらの驚く顔をうれしそうに眺めてました。

実はコレ、非常に高度な会話なのです。
通常、小松菜は葉菜なので、肥料としては窒素が常識です。
燐酸は果菜に使う肥料なのです。

この話一つ取っても、日本の農業というのは奥が深い。

それに比べてタイ農業、とりわけこのバジルというのは、その匠の入り込む余地すらない。
単なる雑草です。

こんなことばかりやっているから、タイの百姓というのは頭も悪くなり、娘を淫売に出すことしか考えなくなるのではないでしょうか?

農業にしろ、外道にしろ、大切なのは創意と工夫です。
そういった意味でも、このカプラォというのは、僕にとっては創意も工夫も施しようの無い、正にイサーン女です。

外道農業、2005年10月27日


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