タイにおける、福島差別の耐えられない脱力感

時刻は午前二時。
オレがグッタリ爆睡していた。

突如として携帯が鳴る。
この時間にかかってくる電話はロクなのがない。

やはりそうだった。メーなっちゃん。
『ヒロどうしよう、あたし日本人とやっちゃった』

『何の話だ淫売の母、いつものことだろう。お前の稼業だ』

『今日は特別だったのよ!福島なのよ福島!!』

メーなっちゃんは『フ・ク・シ・マァーー』と間延びした発音で言った。

だから何だ?と言うオレに、メーなっちゃんは涙声になりながら話し出す。

これが疲れた。

淫売の趣味は大抵テレビだ。
字は読めるが、本は決して読まない。

情報はすべて受け身で、言っちゃ悪いが低俗で無教養な人達の特徴だ。
これは世界中変わらない。

メーなっちゃんもTV報道で、福島の原発事故のことは当然知っていたが、どこまで意味わかっていたのかは疑問だ。

なにしろ、メーなっちゃんは中3中退なので、論理的な会話は不可能。
すべては流言と流行、そして、迷信が支配する価値観に生きている。

『あのなメーなっちゃん・・・食い物はどうか知らないけど、マンコは放射能と関係ない。男を食っても被爆しない』

『でも・・・でも・・・中出しされた。ワァーーーもう駄目だわーーー!』

メーなっちゃん号泣。
オレは嫌気がさしてきた。

どうも、メーなっちゃんは体内被曝とは、中出しだと思っているようだ。

14の夏休みに同級生にいきなり中出しされ、そのまま妊娠>中学中退へと進んだ、転落の記憶がフラッシュバックしたようだ。

すっかり嫌気がさしたが、ここで電話を切ると、オレにまで逆恨みしそうな勢いなので、なんとか説得。

『中出しでは被爆しない。ハゲとはシャワー浴びてからマンコしたんだから除染されている。放射能はガキに影響して、薬飲まなきゃチンコも立たないオヤジは関係ない。だからお前のようなハゲコロガシの淫売は安心していい。もう遅いから早く寝ろ。』

理屈はいい加減だが、その方が淫売には説得力を持つ。

それでも、メーなっちゃんは納得しないでブチブチ言っているので、念のため明日医者に行け、と言って再び眠りについた。

翌日の昼過ぎに電話が来る。
本当に病院行ってやがった。

『キャーーー被爆してなかったわよ』

『・・・当たり前だ』

『あーよかった。でも毛ジラミがみつかって全部マン毛そられた。チクチクする』

そんなこといちいち報告しなくていい。
脱力感に耐えられなくなり、オレは受話器をおいた。

福島の方は不本意であっても、しばらくの間、出身を隠してください。
タイに来るときは・・・。

すべては淫売の無知が原因ですが、話してわかる人達ではありません。

オレは諦めました。

煩悩の夕暮れ、2011年5月13日号


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