思いでの戦闘糧食1型改ネコ式

ミリメシと言うそうだ。
各国の軍隊携行食の特集記事を読んだ。

結構その国の特徴が出ていて、支給されるワインの質が悪くて、戦争中に兵隊がスト起こした、フランスやイタリアの糧食にはワインが付いていた。

普通は戦闘中に酒なんかのませない。

入浴自衛隊ヒロポン軍曹の連隊では、毎冬恒例の八甲田山雪中行軍という、変態じみたマゾ演習があり、ものすごくつらくて寒いそうだ。

演習中は攻めてくるわけもない敵を警戒して、四六時中必ず誰かが歩哨に立たなければならず、ウトウトしていると突如として怖い古参兵が現れ、『寝たら死ぬぞ!』とグーで殴られたりする、愉快なイベントだったと聞いている。
軍隊は男ばかりの社会なので、当然大変野蛮で凶暴な一面を持ち、無教養かつ下品。
殺伐とした演習中の唯一の楽しみは飯なのだが、軍隊の飯は基本まずい。

うまいマズイではなく、戦闘可能な体力維持を目的としているため、味は二の次。
カロリーだけが異常に高い。

八甲田山冬季演習もそうだったのだが、唯一おいしいモノがあった。
糧食は缶飯とも呼ばれ、すべて缶詰入りのきつい弁当だ。

犬に食わせるのに丁度良いお味だと言われている。
その中に見慣れない缶詰があったそうだ。

パッケージにネコの絵が描いてある。
可愛い絵柄にも関わらず、きつい匂いのする魚を煮詰めたような、半ゼリー状の肉がぎっしり詰まっていた。
あまりの味の良さに、小隊の新兵全員で奪い合う様に食ったそうだ。

『うまいうまい』

『おい、山降りてもこの缶詰食いたいな』

『自衛隊に、こんなうまい糧食があったなんて信じられない』

皆で喜びを噛み締めたそうだ。
もう、お解りだと思うが、これは古参兵が新兵いじめのためにした、悪趣味ないたずらで、新兵の糧食にキャットフードを入れておいたそうだ。

古参兵の目論見では、皆泣きながらキャットフードを食うと思っていたのだが、逆に新兵は喜んで全部食ってしまい、いじめにならなかったそうだ。

問題は・・・最期の最期まで、自分たちが食っているのはネコの飯だと気づかず、つまり誰も缶詰に書いてある文字を読まなかったことにある。

兵隊に首から上は必要ない・・・とは言うが。

それ以来、ヒロポン軍曹はキャットフードを見ると、きつい演習と、おいしかったネコ缶を思い出すそうだ。

煩悩の夕暮れ、2011年8月3日号


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