"線路端・川っぷち・高架下" と "丘の上" 

今回の洪水と、浸水地域にはある特色があった。
真っ平らに見えるバンコクでも、わずかな高低差はある。

また、重要な地域と、そうではない地域もある。
薄いお皿の上に水を引いたようなタイの洪水は、広大な土地を水没させる。

日本にも下町と山の手があるように、一見平らなバンコクにもそれはあった。
川っぷち・運河沿いは、元々国有地に勝手に住みついた三国人・・・ここではパーマンとムスリム、タイ人だが、なぜかタクシー運転手もお仲間だ、がいる。

線路端もなぜか浸水しやすく、これも勝手に住みついた貧乏人部落。

高速とかの高架下・・・も、下働きの出稼ぎ夫婦や、シャブ中一家・カンボラオなどの、インドシナ負け組労務者の住まいとなっている。

こういった貧民窟には、見事に水が入った。
そして、軍隊、警察まったく助けない。

元々、無かったことになっている人達なのだ。

一方郊外であっても、閑静な住宅地。
アッパーミドルのお住まいは、見事に水を入れない。

わざとではなく、そうなっているのだ。

新興住宅地は元々の地面に土盛りして、少しだけ高くなっている。

このわずかな差が、重力をして水を他の地域に押しやり、貧民部落を下水遊水池に変えてしまった。

市内の他の地域が排水されても、いつまでも水が残っている。

行政も、ロクに税金払わない奴らなんか無視で、戸籍もない。
あっても、田舎からバンコクに住所移していないので、書類上は人口ゼロ地帯だったりする。

皆さん当然怒っている。
やり場のない怒りをマンコにぶつけようにも、女房はもっと怒っていて手が付けられず、次善策として、酒かシャブということになり、一層状況は悪化。

勢い余ってガキを殴り、女房の強烈な反撃で、居場所のなくなったオヤジ達は、腰までジャブジャブ水に浸かりながら、場末カラオケで浮気。

当然のごとく、すぐにばれて、土台の弱い家庭は水と共に崩壊。

子供達は、男はヤクザ、女は淫売という、お定まりのエリート街道を、爆進することになった。

こうしてタイは進歩を続ける。
めでたしめでたしの下町物語でした。

・・・本当にありました。
不幸なことに、オレの知り合いでした。

煩悩の夕暮れ、2011年11月23日号


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