夜の海を眺めながら、こんな事を考えてみる。

一体ここにはセブンイレブンがいくつあるっていうんだ?
数えてみようかとも思ったがやめる事にした。

そんな事にうつつを抜かしてる暇があったら、ほかにやる事があるはずだ。

ここは、パタヤだ。

今、おまえは、パタヤのビーチロードにいる。
周りには女達がいる。

レディーボーイと呼ばれる、タイのトランスセクシャルもいる。

何でもお金を払えば、やらせてくれるとか。カオサンで知り合った不良外国人の男に散々、聞かされていたのだ。
ちなみに、こいつはカオサンの安宿にタイ人の売春婦を連れ込もうとして、叩き出されていた。

しかし、ものすごい数だな。
これじゃあ、いくら安いとはいえ、金がいくらあっても足りない。

俺はここに来る前に密かにパタヤにいる夜の女達を全員やるつもりだったのだ。
それは、想像を超えていた。

呆然と立ち尽くしているうちに、軽い疲労感を感じた俺は、ビーチの辺りに腰を下ろした。
えらい所に来ちまった、俺にはまだ早過ぎる。

しかし、もう後戻りは出来ない状況だった。
「火を貸してもらる?」、「は、はい!なんですか?」、「ライターいい?」いきなりだった。

売春婦にしては、ラフなジーンズとTシャツ姿のダークスキン系の女が、ライターをきっかけに話しかけてきたのだ。 

「い、いきなりかよ」、「え!今何て言ったの?」、「いや、今のは日本語です、ていうか何ですか?」よく見るとなかなかいい体をしている。

よく話す女だった。
聞いてもいない身の上話を、一方的にまくしたてた。

イタリア人と結婚していた話、離婚して子供を抱えて、売春婦生活をしている話。

白人の男達には余程はらわたが煮えくり返っているのか、ものすごい毒舌トークが展開されて、その切れのあるトークの切り口に感心した程だ。

「あいつ等はろくでもない、てめぇの国で1年位働いて、小金貯めてタイに来て女買ったりしてやがんだよ、安い金でさぁ、500バーツとかだよ、なめんなよ!あたし等はナースかい!」

ナースかいは上手いなと思った。

「タイの物価が安いから調子にのってやがんだよ!タイにいる白人男なんてファック野郎達よ!」

へぇー、そういうのも楽しそうだなぁ、とは言えるはずもなく、彼女の怒りを受け入れてやるしか、なす術がなかったのだ。

それにしても、いいケツをしている。
いつの間にか勃起している自分に気がついた。

彼女も一応その道のプロだ。
俺の視線が、彼女の股間にフォーカスされている事に気がつかないわけがない。

「ところで、あなたパタヤに何しにきたの?」
 
それは、自然な流れだった。始まりから、こうなる運命だったのだ。
男と女が出会い、そして何かを感じ取り、こうして今、ホテルの部屋にいる。

肌の色は関係ないのだ。言葉は関係ないのだ。男と女。
確か、昔のフランス映画に、こんなタイトルの映画があったはずだ。

男と女のミステリー。
今、ホテルの部屋にいる2人の男と女。

タイ人の女と日本人の男。
目の前にいる渇色の肌をした女を前にして、少し、緊張している日本人の男。

お互い、別々にシャワーを浴びる。
ベッドの上の2人。2人の世界。

「パタヤはいつまでも変わらないわ、だから、あなたが年老いて、その時、女がどうしても必要になった時には、又戻ってくればいいのよ」返す言葉もなかった。

年老いてまで、待てないどころか、当分パタヤにいるつもりだったし、ましてや、あれだけの数の女達を目撃してしまった以上、一体、何年かかってあそこの女達を全員やれるのか、皆目見当がつかないのだ。

まだ、パタヤの夜の女を全員やる、この無謀とも思える試みをあきらめたわけではなかったのだ。

しかも、レディーボーイと呼ばれる集団までいるじゃないか。

これはどうやら、大変な仕事になりそうだ。

ゆくゆくは、バンコクにも手を広げて、そこから地方進出して、東南アジアに拡大して、そこから南米とか、、、、、、、、、、、
  
目が覚めたときに女はいなかった。
おかしい、私物のハンドバックは置いてある。

バスルームを確認してもいない。
どこかに、買い物でも行っているのか?

その時、俺は自分が置かれている状況を把握した。

ゆっくりと、財布に手を伸ばして中を確認してみると、日本円にして、1万円相当のタイバーツが抜き取られていたのだ。

「しまった!やられた」
何故だか、1000バーツ紙幣2枚は残してあった。

あの女の情けかな、と思う余裕もなく、いや、金を抜き取られた事よりも、忽然と姿を消した事に対して、もしかしたらあの女は存在してなかったんじゃないだろうか?パタヤの女達の亡霊。
 
夜の海を眺めながらがら、こんな事を考えてみる。
一体ここには何人の売春婦がいるっていうんだ。

数えてみようかとも思ったががやめる事にした。
そんな事にうつつを抜かしてる暇があったら、ほかにやる事があるはずだ。

ここは、パタヤだ。
今、おまえはパタヤのビーチロードにいる。

周りには女達がいる。
何でも、お金を払えばやらせてくれるとか。

パタヤの不良外国人の男に、散々聞かされていたのだ。
ちなみに、こいつはパタヤの安ホテルにタイ人の売春婦を連れ込んで、金をパクられたらしい。

間抜けな奴。
パタヤの女達の亡霊か。
笑わせるなよ。

「火を貸してもらえる?」、「えっ?」、「ライターいい?」、タイ人の売春婦だった。
男はライターを無言で貸してから、その場を立ち去った。

気のせいか、女が、「顔を洗って出直して来たら?」と言いたそうな顔をしていた。

軽い倦怠感を感じた男は、海辺を歩いていた。
楽しそうなカップル達を横目に、夜の海を眺めてみると、ハンドバッグが浮いていた。

少しばかり感傷的な気分になった男。
背の高い女が話しかけて来る。

いい女だ。
「あなた、パタヤに何しに来たの?」

今日はこの女に決まりだ。


徒然外道、2011年5月26日

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