夕方六時頃に、友人の社長Mより電話があり、「おいヒロ!遊びにいかねえか?」との誘いがある。
誘いとはいえ、社長Mの口調はほとんど命令だ。
この人はバンコクで会社を興したベンチャービジネスマンで、言い方によっては青年実業家といえなくもないが、その実体は”新暴対法が出来たので仕方なく会社組織にした”というアグレッシブな会社の名目上の社長だ。
外見はわかりやすく言うと”他の商売考えられない大仏様”みたいな、ちょっと怖い人なのだ。
本人は頑なに、「違うよー、オレはただの零細企業経営者だよー!」と言い張っているが、その様子は殆ど、「手前共はただの商人でございます」と、大岡越前の前で申し開きをしている越後屋で、説得力が皆無だ。
名目上の社長と言ったのは、実際には他に金主的な経営者が居て、これも表向きは千葉の不動産屋で、何故か指が八本しかない、通称”タコ社長(誰も本人の前ではこう呼びはしないが・・・)”という益々怖い人だ。
社長Mとは、取引先の会社のパーティーで知り合ったのだが、オレは何故かこの手のヤクザっぽい人に好かれやすく、若い頃からイロイロ良い思いや、恐ろしい思いをさせて貰った。
今日も社長Mはオレと一緒に場末風俗ツアーに行きたいのだ。
税金払ってない金が沢山あるのだから、タニヤとかの高い店に連れていって貰いたいのだか、何故か社長は場末好みで、テメやフェラチオバーとかにばかり行きたがる。
社長にとってタニヤは仕事で行くところだそうだ・・・。
オレは気乗りしなかったので、「何処行くんですか?オレ金無いッスよー」と言うと。社長は「アタミの前にあるサオ・シップホクって店知ってるか?」と言った。
誘いとはいえ、社長Mの口調はほとんど命令だ。
この人はバンコクで会社を興したベンチャービジネスマンで、言い方によっては青年実業家といえなくもないが、その実体は”新暴対法が出来たので仕方なく会社組織にした”というアグレッシブな会社の名目上の社長だ。
外見はわかりやすく言うと”他の商売考えられない大仏様”みたいな、ちょっと怖い人なのだ。
本人は頑なに、「違うよー、オレはただの零細企業経営者だよー!」と言い張っているが、その様子は殆ど、「手前共はただの商人でございます」と、大岡越前の前で申し開きをしている越後屋で、説得力が皆無だ。
名目上の社長と言ったのは、実際には他に金主的な経営者が居て、これも表向きは千葉の不動産屋で、何故か指が八本しかない、通称”タコ社長(誰も本人の前ではこう呼びはしないが・・・)”という益々怖い人だ。
社長Mとは、取引先の会社のパーティーで知り合ったのだが、オレは何故かこの手のヤクザっぽい人に好かれやすく、若い頃からイロイロ良い思いや、恐ろしい思いをさせて貰った。
今日も社長Mはオレと一緒に場末風俗ツアーに行きたいのだ。
税金払ってない金が沢山あるのだから、タニヤとかの高い店に連れていって貰いたいのだか、何故か社長は場末好みで、テメやフェラチオバーとかにばかり行きたがる。
社長にとってタニヤは仕事で行くところだそうだ・・・。
オレは気乗りしなかったので、「何処行くんですか?オレ金無いッスよー」と言うと。社長は「アタミの前にあるサオ・シップホクって店知ってるか?」と言った。
「・・・サオ・シップホク・・・」オレは突然、後頭部を殴られたような衝撃を受けて、そう独言した。
タイ語の出来る人ならわかると思うが、日本語訳すると、十六歳の少女だ!
オレはその語感だけで十分に興奮して、「なんだなんだ!その店は?」と聞くと、社長Mは「たいしたこと無いよー、パヤタイにある、スワンイサーンと似たようなものだから・・・」と多少オレの興奮に押され気味に答えた。
・・・スワンイサーン!
これも、オレは数度しか行ったことがないが、何故かカフェーのステージみたいな所に、超ミニの女の子が踊っており、店内で売っている花輪を買って、その子に掛けてあげると、一緒に踊ることが出来るという、安直なものだ。
それだけなら他愛のないものだが、流石は外道王国タイ!
後にその子をテーブルに呼んでお話、又は連れ出しも出来るらしいと知った。
意外にカワイイ子が沢山いて、穴場的なところだ。
サオ・シップホク!
十六歳の少女を連れ出せるなら、花輪だろうが、埴輪だろうがいくらでも買ってあげるぞ!
オレは興奮を抑えることが出来ず、「行こう行こう!今すぐ行こう」というと社長は、「しょうがねえなこの馬鹿野郎は・・・えーっと、8時頃に車で行くから待ってろよ」といって電話を切った。
オレはそれから約束の八時まで、意味無く部屋をウロウロしたり、落ち着き無く社長を待っていた。
約束の時間より少し遅れて、社長は現れた。
社長の車は、当然の事ながら、その筋の業務用車であるドイツ車で、運転しているのは社員と言うより、構成員又は、若い衆と呼びたくなる外見のテツ君だ。
テツ君が、少しロンパリ気味の顔をウィンドーから出して、大声でオレを呼んでいる。
マスコミや大学関係者も多く住む、静かなアパートなのだから、もう少し大人しくして欲しいのだが、この人達には無理な注文のようで、テツ君は「ヒロさーん、早くしないと女が売り切れちゃいますよー!」などど、怒鳴っている。
どの部屋に用があるのか?と聞きに来たヤーム(守衛)に対しても、無意味に、「なんじゃお前は!」と日本語で凄んでいる。
テツ君は、かつて、大志を抱いてタイへとやって来た青年だ。
ムエタイの本場タイで修行を積んで、世界チャンプになってやる!と意気込んでバンコクにやって来たのは、つい二年前の事だったのだが、ストイックなトレーニングをするには、バンコクには誘惑が多すぎた・・・
若い彼には我慢しろと言うのが無理だったのか、すぐに、風呂屋の女の部屋に転がり込んで、ヒモ同然の生活を始め、やがてその女のも捨てられて、フラフラしているところを社長に拾われて、社長の運転手兼雑用係となっている。
役人が五月蠅いから、会社組織にしたという、邪な会社の大仏頭経営者と、目がロンパリの運転手、そして、オレは何を生業にしているのかわからない、正体不明の日本人と言う組み合わせに、アパートの大家までが窓から顔を出して様子を見ている。
オレは何故か卑屈な気持ちになって、コソコソと車に乗り込まなければならなかった。
やがて、ペッブリー通りはボッタクリで有名な風呂屋アタミの前まで来たところで、テツ君は強引にユーターンして、小さくタイ語のネオンに”サオ・シップホク”とある、路地に入っていった。
路地の奥には、予想外に大きな平屋の建物があり、その前の敷地は駐車場になっている。
気になったのは、通常こうした風俗店の駐車場には高級車が並び、一目で此の店の客層がわかるものだが、此処の駐車場は妙に閑散としている。
まだ時間が早いのか?と思ったが、車の少なさに反比例するかのように、店の前に止めてあるバイクの数が多い。
これは風俗店ではなくて、「パブ」と呼ばれる、タイ人の若者が集まるところに共通した傾向だ。
オレは何となく、イヤな予感に苛まれつつ、此の店のドアを開けた。
店内に一歩入ると、其処は必要以上に照明が落とされていて、足もとが見えないくらいだ。
案内役のオバサンがすぐに寄ってきて、オレ達を席に案内する。
オレ達は取りあえずビールを頼んで、乾杯と言うことになった。
このころには、薄暗い店内にも目が慣れて、辺りの様子を見回すと、確かに何組かの客と、その間を蠢く女達の気配が感じられる。
しかし、やはり暗すぎて、そのままでは表情はわからない・・・。
オレは社長に「これじゃ闇鍋じゃないですか?」と言うと。
社長は、「後で顔見せがあるから待ってろ」とのことだった。
オレとテツ君は、社長に言われるままに、大人しく酒を飲んでいた。
一人、社長はお気に入りのオムちゃん(21歳、シーサケット県出身)を脇に座らせ、襟から手を突っ込もうとして拒否されたりしている。
十六歳の少女という邪な店名と、大仏頭の社長でさえ、21歳の女をゲットしているのだから、オレ達なら間違いなく十代の子を捕まえられる!
オレとテツ君は、ジリジリしながら、ステージの女の子顔見せタイムを待っていた。
しばらくすると、ステージの照明が灯り、急に店内が明るくなった。
それと同時に、沈黙していたスピーカ-からは、大音量のイサーン民謡が鳴り響き、店内は突然活気ずいた。
明るくなった店内を見回して、オレは唖然としていた。
客層が悪い!
どう見ても、十代のガキや、普段は屋台を引いてそうな親父達が、女を侍らしてニヤついている・・・。
M社長の隣にいるオムちゃんにしても、21はサバの読み過ぎだ、どう無理をしても、20代半ば過ぎの容姿を持ったオムちゃんは、「これから踊りがあるから、ちょっと待っててね!」と、無理のある不気味な科を作って、席を立った。
ぞろぞろとダルそうに、女達がステージに出てきて、それと同時に泥臭いイサーン民謡と言うか、タイ演歌みたいな曲に合わせて、盆踊りのような踊りを始めた。
此処に至って、オレはM社長に騙されたことをハッキリと認識した。
十六歳どころか、20代の女も数えるほどしかいない、殆どは30過ぎのオバサンばかりだ!
・・・場末好みの社長の嗜好を忘れていた。
聞けば、此の店はボッタクリ専門の風呂屋アタミと同系列だそうだ。
”アタミでも使えなくなった女を、此処に捨てて居るんじゃないか?”オレはガックリして、半ば投げやりな気持ちになり、呆然と顔見せ踊りを眺めていたが、テツ君は、「ヒロさん一番右の子オッパイがでかいですよ!」などと言いながら、楽しそうにビヤチャンをラッパ飲みしている。
彼は20前後の、うら若い身空で、年増の風呂屋女の囲い者になっていたせいか、痛ましいことに嗜好が偏ってしまったようだ。それもババ専に・・・。
”やっぱり、この人達とはわかり合うことが出来ないな・・・”、そんなことを寂しく、そして、何故かホッとしながら、痛感した夜であった。
外道日記、2002年2月6日
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タイ語の出来る人ならわかると思うが、日本語訳すると、十六歳の少女だ!
オレはその語感だけで十分に興奮して、「なんだなんだ!その店は?」と聞くと、社長Mは「たいしたこと無いよー、パヤタイにある、スワンイサーンと似たようなものだから・・・」と多少オレの興奮に押され気味に答えた。
・・・スワンイサーン!
これも、オレは数度しか行ったことがないが、何故かカフェーのステージみたいな所に、超ミニの女の子が踊っており、店内で売っている花輪を買って、その子に掛けてあげると、一緒に踊ることが出来るという、安直なものだ。
それだけなら他愛のないものだが、流石は外道王国タイ!
後にその子をテーブルに呼んでお話、又は連れ出しも出来るらしいと知った。
意外にカワイイ子が沢山いて、穴場的なところだ。
サオ・シップホク!
十六歳の少女を連れ出せるなら、花輪だろうが、埴輪だろうがいくらでも買ってあげるぞ!
オレは興奮を抑えることが出来ず、「行こう行こう!今すぐ行こう」というと社長は、「しょうがねえなこの馬鹿野郎は・・・えーっと、8時頃に車で行くから待ってろよ」といって電話を切った。
オレはそれから約束の八時まで、意味無く部屋をウロウロしたり、落ち着き無く社長を待っていた。
約束の時間より少し遅れて、社長は現れた。
社長の車は、当然の事ながら、その筋の業務用車であるドイツ車で、運転しているのは社員と言うより、構成員又は、若い衆と呼びたくなる外見のテツ君だ。
テツ君が、少しロンパリ気味の顔をウィンドーから出して、大声でオレを呼んでいる。
マスコミや大学関係者も多く住む、静かなアパートなのだから、もう少し大人しくして欲しいのだが、この人達には無理な注文のようで、テツ君は「ヒロさーん、早くしないと女が売り切れちゃいますよー!」などど、怒鳴っている。
どの部屋に用があるのか?と聞きに来たヤーム(守衛)に対しても、無意味に、「なんじゃお前は!」と日本語で凄んでいる。
テツ君は、かつて、大志を抱いてタイへとやって来た青年だ。
ムエタイの本場タイで修行を積んで、世界チャンプになってやる!と意気込んでバンコクにやって来たのは、つい二年前の事だったのだが、ストイックなトレーニングをするには、バンコクには誘惑が多すぎた・・・
若い彼には我慢しろと言うのが無理だったのか、すぐに、風呂屋の女の部屋に転がり込んで、ヒモ同然の生活を始め、やがてその女のも捨てられて、フラフラしているところを社長に拾われて、社長の運転手兼雑用係となっている。
役人が五月蠅いから、会社組織にしたという、邪な会社の大仏頭経営者と、目がロンパリの運転手、そして、オレは何を生業にしているのかわからない、正体不明の日本人と言う組み合わせに、アパートの大家までが窓から顔を出して様子を見ている。
オレは何故か卑屈な気持ちになって、コソコソと車に乗り込まなければならなかった。
やがて、ペッブリー通りはボッタクリで有名な風呂屋アタミの前まで来たところで、テツ君は強引にユーターンして、小さくタイ語のネオンに”サオ・シップホク”とある、路地に入っていった。
路地の奥には、予想外に大きな平屋の建物があり、その前の敷地は駐車場になっている。
気になったのは、通常こうした風俗店の駐車場には高級車が並び、一目で此の店の客層がわかるものだが、此処の駐車場は妙に閑散としている。
まだ時間が早いのか?と思ったが、車の少なさに反比例するかのように、店の前に止めてあるバイクの数が多い。
これは風俗店ではなくて、「パブ」と呼ばれる、タイ人の若者が集まるところに共通した傾向だ。
オレは何となく、イヤな予感に苛まれつつ、此の店のドアを開けた。
店内に一歩入ると、其処は必要以上に照明が落とされていて、足もとが見えないくらいだ。
案内役のオバサンがすぐに寄ってきて、オレ達を席に案内する。
オレ達は取りあえずビールを頼んで、乾杯と言うことになった。
このころには、薄暗い店内にも目が慣れて、辺りの様子を見回すと、確かに何組かの客と、その間を蠢く女達の気配が感じられる。
しかし、やはり暗すぎて、そのままでは表情はわからない・・・。
オレは社長に「これじゃ闇鍋じゃないですか?」と言うと。
社長は、「後で顔見せがあるから待ってろ」とのことだった。
オレとテツ君は、社長に言われるままに、大人しく酒を飲んでいた。
一人、社長はお気に入りのオムちゃん(21歳、シーサケット県出身)を脇に座らせ、襟から手を突っ込もうとして拒否されたりしている。
十六歳の少女という邪な店名と、大仏頭の社長でさえ、21歳の女をゲットしているのだから、オレ達なら間違いなく十代の子を捕まえられる!
オレとテツ君は、ジリジリしながら、ステージの女の子顔見せタイムを待っていた。
しばらくすると、ステージの照明が灯り、急に店内が明るくなった。
それと同時に、沈黙していたスピーカ-からは、大音量のイサーン民謡が鳴り響き、店内は突然活気ずいた。
明るくなった店内を見回して、オレは唖然としていた。
客層が悪い!
どう見ても、十代のガキや、普段は屋台を引いてそうな親父達が、女を侍らしてニヤついている・・・。
M社長の隣にいるオムちゃんにしても、21はサバの読み過ぎだ、どう無理をしても、20代半ば過ぎの容姿を持ったオムちゃんは、「これから踊りがあるから、ちょっと待っててね!」と、無理のある不気味な科を作って、席を立った。
ぞろぞろとダルそうに、女達がステージに出てきて、それと同時に泥臭いイサーン民謡と言うか、タイ演歌みたいな曲に合わせて、盆踊りのような踊りを始めた。
此処に至って、オレはM社長に騙されたことをハッキリと認識した。
十六歳どころか、20代の女も数えるほどしかいない、殆どは30過ぎのオバサンばかりだ!
・・・場末好みの社長の嗜好を忘れていた。
聞けば、此の店はボッタクリ専門の風呂屋アタミと同系列だそうだ。
”アタミでも使えなくなった女を、此処に捨てて居るんじゃないか?”オレはガックリして、半ば投げやりな気持ちになり、呆然と顔見せ踊りを眺めていたが、テツ君は、「ヒロさん一番右の子オッパイがでかいですよ!」などと言いながら、楽しそうにビヤチャンをラッパ飲みしている。
彼は20前後の、うら若い身空で、年増の風呂屋女の囲い者になっていたせいか、痛ましいことに嗜好が偏ってしまったようだ。それもババ専に・・・。
”やっぱり、この人達とはわかり合うことが出来ないな・・・”、そんなことを寂しく、そして、何故かホッとしながら、痛感した夜であった。
外道日記、2002年2月6日
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