Dr.フェラありに日本のテレビをDVDに録画して送ってもらった。
淫行医者の好みなので、どんなことになるか不安だったが、やはり先生好みの不毛な討論番組や、噂の真相!みたいな、似非ドキュメンタリーが多かった。
日本の世論とは温度差が大きい、オレとヒロポン軍曹はTV画面を見ながら
「あー北朝鮮に捕まってらー。こいつらそろいもそろって不幸顔だな・・・なんか弱そうだし」
「日本海側に住んでるかいけないッスわー、雪降るしー」
「冷害もあるな」
「何もなくても減反ッスよ」
「地震にもやられてたな」
などと、関係ないツッコミをくれていた。
中に一つ意味不明なビデオがあった。
ザ・ベストテン。
往年の歌番組だ。
オレは黒柳徹子の頭が不思議だったので、毎週観ていた記憶がある。
「こんなの、まだやってたのか?」
「知らんすワー」
「観てみるか、モー娘出てるかな、オレはなにげに辻ちゃんのファンだ」
「・・・不気味なオヤジッスねー」
観てみてわかった。
往年の人気番組は、往年の人気スターが出演する、不気味な懐メロ番組だった。
「誰ッスか、この薄いオヤジは」
「これ・・・もしかしたらトシちゃんじゃないか?」
「タダの薄頭ッスよ」
「そこらのハゲ出すわけないだろ、ほらやっぱりトシちゃんだ」
「イヤー、痛ましいッスねー、早送りにしませんか」
−早送り−
「ウワッ!誰だこのババアは?」
「少しケバイッスよ」
「ウッ!中森明菜じゃないか」
「綺麗な女じゃなかったスか?」
「風化したんだろう、肌荒れてんな、これじゃビワでもきついだろ」
「風呂屋の女じゃないッスよ、次行きましょう」
−早送り−
「これも誰だかわからんすわー」
「色黒で痩せすぎの女だな」
「あっ歌った、工藤静香ッスかー」
「急にキムタクが気の毒になってきたな・・・これ・・・おニャン子だったよな」
オヤジ達の夜更けは楽しく過ぎていった。
モーンニング娘に夢中の君たち、20年後にオレと同じ気分を味わうに違いない。ザマアミロ!!
煩悩の夕暮れ、2005年2月4日号