本物の男はジジイと言えども侮れない。
と言っても、モリズカやゴイケの話ではありません。

座頭市父のお話です。
妙な凄みを、生存競争のために身につけてしまったこの方は、女に対しても独自の哲学を持っています。

それは、よくある年寄りの感傷などとは無縁の、孤高の哲学でした。

ある日、ローリーヤマザキとタニヤに向かう車中で、翁は説教を始めました。

曰く、「いいかい、山崎君、女なんてのはモノだと思ってやればいいんだ。あんな奴ら人間と思っちゃいけない、マンコが値札下げて歩いてると思えば自然と貫禄が出る、黙ってたって女はついてくる」

「えー、そんなこと言っても、僕ら金ないですよ」

「金額じゃねえんだ、心の持ち方だ、対等の人間だと思うな、あんなモノはパン助だ」

「はあーーそんなものですか」

”モノだと思え”、なかなかどうして、言えることではありません。
年間2億飲んだと、豪語するだけのことはあります。

ご子息の座頭市兄の話では、「いつもあの調子なので家族はたまらない」。
それはそれで、わかるような気がします。

オレのオヤジも死んだ時、1億7千万の借金と、二人のゴネゴネ愛人を残してくれました。

これも、とても、堪りませんでした。

外道者よ、先人達の偉大な足跡をなぞり、そして踏み越えよ!

煩悩の夕暮れ、2005年2月11日号


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