mkがやってる日本食チェーンやよい軒はなにか日本食を勘違いしている。
いや・・・馬鹿にしている。

多くの日本人にとってタイ料理のイメージは=辛いである。

実はタイ料理は幅が広く一言で言い表せるほど単純ではない。
同様にタイ人にとっての日本食も=甘いの一言で表現しきったのがやよい軒の日本料理だった。
カジュアルな日本食・・・とでも言えばいいのだろうか?
まあ他に比べて安めの価格設定でメニューはすべて写真付き。

なんだかわからない物を注文する心配もなく彼女の前で恥をかく心配もない。
店内は若いカップルや家族連れで満員だった。
オヤジ二人の真性日本人はオレとアナル山本のみ。
その絵的な汚らしさは右翼の嫌がらせ、または景観条例違反だった。

ピンクと白を基調としたファンシーな内装はアイスクリーム屋を連想させ、間違って31に入ってしまった魔界からの使者のようなオレと山本。まあいい臆せず注文。山本はチキン南蛮定食。
おれはイヤな予感が最初からしたのでなるだけ味の変えようのないメニュー鯖味噌煮定食だった。

山本が一口食って箸が止まる。

『ウッ!なんすかこれは蜂蜜ですか』

『チキン南蛮に蜂蜜なんかかけないだろう』

『じゃあ水飴ですよ、この限りなくしつこい甘さは・・・ヒロさん一口食ってみますか?』

『絶対イヤだ』

いつも人を実験台にする、と山本はぶつぶつ文句を言っている。
オレも鯖みそ煮を食う。

やはりよりシンプルな鯖塩焼きにすればよかった。
無駄に長く生きてきてこんなに甘い味噌は初めてだ。
箸が微動だにしなくなったオレを見て山本が嬉しそうに言う。

『どうしたんですか?甘いんですか、その鯖』

『甘味噌ってあったか?』

『甘納豆はありますが・・・普通味噌は白とか赤とか色で味を表現するでしょう』

『それにこのとろみは片栗粉・・・イヤ水飴でつけたとしか思えない』

『甘すぎる鯖味噌煮っていうのもきついしょうね』

お互い無駄に齢を重ね、世の無常をかみしめたやよい軒でした。

おかげでまた少し大人になった気がした夕食であった。

煩悩の夕暮れ、2010年11月16日号

外道の細道、2010年11月16日


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