今日から、新しい連載企画「外道グルメ」を始めることになった。

第一回はイサーン料理である「ラープ」だ。

外道の細道を見ていただければわかるとおり、オレは曲がったことの嫌いな、真っ直ぐな男なので、偏食が激しい・・・

女のことではない。

イカはエイリアンに似てるから嫌い。

イクラはカエルの卵みたいだから食わない。

ウニは腹が下った犬のウンコみたいだからイヤ。

パクチーと春菊は雑草みたいな臭いがするので全部どける。

こんな感じだ。

しかし、以前は嫌いだったのだが、年を重ねるにつれ自然に好んで食べるようになった物もある。
ラープはそんな料理の一つだ。

ラープの外見は、年小組の女の子が、泥と雑草で作ったオママゴトの料理のような、実に汚らしい色をしている。

フランス料理のように 、料理の色彩をも楽しむと言う観点から言えば石器時代食だし、日本料理のように盛り合わせと、コンビネーションを重視する観点から言えば、焼き鳥と煮込みを食っ た貧乏リーマンのゲロだ。

オレも最初は、文明人として、こんな物を口に入れるくらいなら、パタヤ淫売とオーラルファックをする方がマシだ、と思い食わなかっ た。

しかし、何の因果か、風俗嬢にはイサーン人が多く、彼女達と会食を重ねるごとにこのラープを食うはめになった。

また、良く香辛料のきいたラープは酒盛りに合 い、ビールのあてに少しずつつまむうち、こうした料理の特徴で、知らず知らずの内に美味く感じられるようになった。

外見の汚さは仕方ないことのようだ。

これ は確認したわけではなく、所謂俗説なので確証はないが、イサーン地方では2次大戦前まで鉄鍋が一般化しておらず、したがって、すべての料理法は炭火で炙り焼 きにするか、生で食うかの二者択一だったそうだ(主食の餅米は土鍋で蒸す)。

ラープは紛れもなく生で食う料理だった(現在ではちゃんと火を通す)。

日本で も、ちょっと危ない魚は「タタキ」という、毒消しの植物を混ぜたミンチにして食うように。

イサーンでは、生肉を香辛料に混ぜて食っていた。
この生肉だが、主に食う のはなんとブタだ・・・

やっぱりイサー人は宇宙人だ!。

政府は役場や学校を通して、”生肉食うな啓蒙運動” をしているが、已然として地方では、好きこのんで 生ラープを食っている。

当たり前である。

生で食うなと言ってる役人や先生達が、しっかりと生で食っているのを見ているので、誰も言うことを聞かない。

また、す べての肉の特徴として、生で食うのが一番美味く、栄養吸収の効率から言っても抜群だ。

ただ一つ、食あたりと言う問題がなければだが・・・

現に、毎年数多くの食中毒者と、いくらかの死者を出している。

長い間地方に飛ばされていたヒロポン軍曹は、所謂「血のラープ」というのをしこたま食ったそうだが、それを食っ ている人間は、皆一応に口元を真っ赤に血で染めた、”人食い人種” に見えたそうだ。

そして、彼の感想は”美味かった”そうだ。

人間なんでも環境に染まるのは早 いね。

不気味な話しを延々としてしまったが、今回の「ラープペーット」はちゃんと火を通しているし、酒飲みにはこたえられない一品であることを保証する。

食わず嫌いにならず試して欲しい・・・
出来ればビワの女と。

煩悩の夕暮れ、2003年3月3日号(講読者数より推定)

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