いったい何時から、乞食やルンペンはホームレスになったのだ?
ホームレスなんて言うと職業みたいじゃないか。あんなの普段から滅茶苦茶虐めて、ガキどもも暇があったらホームレス殴りに行くのが気晴らしだったら。みんな怖くてなかなかホームレスやらないし、ガキどももストレス発散できて青少年の犯罪が減る。
関係ないが記憶がよみがえってきた。オレは中学生だったかな?はっきりしないが、まあクソガキの頃だ。何らかの間違いを起こして警察署にいた。反省文書きながら親父が引き取りに来るのを待っていた。警官はそのころから人間の屑みたいな奴だと知っていた。上にヘコヘコ、下に超強気。立場が強いときだけ横柄かつ神のごとく不遜、建前を言うようにプログラムされた役人ロボットだ。これは世界中でほぼ変わらないようで、どこ行っても警官ぐらいの嫌われ者はいない。まあいい、言いたいのはそれではなかった。
オレはとてつもないクソガキだったが未成年者であり、親が引き取りに来る『子供』の身分があった。しかし同じ時に警察署にいた乞食はそうではなかった。未成年者ではなく、親族も保護者もいない。こうなると警官は強かった。
オレに対する呼びかけの言葉は『テメエ』だったが、親父が来たあとは『君』になった。
乞食に対しては終始『このクソ』だった。
『このクソがよ、死ねよくそ、おまえみたいなクソ相手にするために警察があるんじゃねえんだ!わかったか、このクソよー。クセエんだよー、このクソ』
乞食は汚かったのでわからないが、おそらくこの若い警官の親に世代であってもおかしくない年寄りだった。なにをしでかして警察のお世話になったのかわからないが、これだけ汚い言葉で大人が罵られるのは初めて見たので、オレの記憶に強烈に焼き付いている。人とはこれだけ残酷になりえ、また権力の後ろ盾がある人間がいかに醜くなりうるか。
この警官は『このクソ!』と言うたびに磨き上げた安全靴の先で乞食を蹴っていた。強くではないが、小動物をジワジワ虐める時に似ている。
オレのことは意識外なので一切気にせず、半ば楽しんでいる。乞食はやられる一方で無抵抗だった。時折、『ウー』と弱々しく反応する。すると警官は愉快そうに『なんだ、このクソが』とまた蹴る。
残忍な景色で、オレはこのあと親父に殴られる恐怖をすっかり忘れ、この残酷なショウが恐ろしかった。
きっとオレが親父に引き取られて帰った後も乞食いじめは続いたのだろうと思う。警官だけにはなるまいと心に決めた。
もっと大きな暴力も目の当たりにしたが、それは一時のものであり、渦中にいるときはそれほど恐ろしくないが、この乞食いじめは怖かった。きっと人間の持つ残忍さの本質を見たのだと思う。

外道の細道、2009年1月30日


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