終わりの予定のはっきりしない旅は、随分しばらくぶりだった。

帰国は何日、早朝成田着で、午後から仕事みたいな旅行は嫌いだ。

それでも、年とともに時間に余裕が無くなり、今回のような『なんとなく、10日前には帰ればいいか』みたいな旅は本当に久しぶりだ。

パッカーの時はそれが日常であり、北米に行く予定が、アフリカからロンドンに来た友人の話を聞いて、一夜のうちに予定変更、アエロフロートでナイロビへ、みたいなこともあり、旅の終わりは金の無くなった時と決めていた。

しかし、貧乏人は時間だけで、金は僅かしか持っていないにもかかわらず、貧乏生活に慣れていて、なかなか金は無くならなかった。

今考えても、あんなに毎日遊んで、マンコして麻薬していたのに、なぜ金が底をつかなかったのか、不思議でならない。
旅を初めて1週間ほど過ぎた時、ある感覚が蘇り、その頃のリズムというか日常が戻ってきた。

移動が多いので荷造りが早くなり、最低限の物しか持たないことが、結局もっとも合理的で理にかなった生活となる。

一番の違いは、所有に対する欲望が薄れることかもしれない。

生きることに必要なモノは実はかなり少なく、少ない所有物を最大限利用して生活するから、おのずと金は使わず、それに対して不満はなく、むしろある種の充実感がある。

遊牧民の生活は、今でもそうなのではないだろうか。
短い間であったが、かつて失った何かを取り戻したような気がした。

外道の細道、2008年1月16日


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