10月11日、バンコク都内を走る路線バスの女車掌が高齢者の乗客に罵声を浴びせた上、車内から蹴り落とすという事件が起きた。
 王宮前広場(サナムルアン)とワニ園を結ぶ123番の路線バスに乗ったタワットさん(68)は元公務員であったことを示す身分証明書を提示して、料金を半額支払った。タイでは元公務員はバス料金が半額になるからだ。

 しかし、これに対して、女車掌のピチトラー(40)は「わざわざ停車してやったのに、お前、半額しか払わないのか。時間の無駄だよ」と罵声を浴びせた。

 これに対して、タワットさんが「ただ乗りよりはマシだろ」と言い返したところ、ピチトラーはバスを運転していた夫のナンター(40)にバスを止めるようい指示。その後、ナンターが運転席からやってきて「お前、文句があるなら、降りろ」タワットさんを突き飛ばしたという。

 身の危険を感じたタワットさんはバスを降りようとしたが、その時、ピチトラーに蹴飛ばされ、階段を転げ落ちてしまった。このため、ワタットさんはその足で、警察に被害届を出した。

 その後、路線バスを管理・運営する輸送公社が内部調査を開始。そして、13日、ポチトラーとナンターが警察に出頭した。

 しかし、両名は警察者でタワットさんと顔をあわせると、再び罵声を浴びせ、警官や記者には、「こいつが金を払おうとしなかったから、文句を言ったんだ。暴力なんて振るっていない」と言い張ったことで、再び、タワットさんと口論になった。

 しかし、警官が医師の診断書、および目撃者の証言を突きつけたことで、ポチトラーとナンターはしぶしぶ容疑を認め、タワットさんにいやいや謝罪することとなった。

 これに対して、タワットさんは「老いたりとはいえ、私も男だ。謝罪した者は許す」として、起訴する考えのないことを明らかにした。

 一方、輸送公社側であるが、「このような非常識かつ暴力的な者を雇用するわけにはいなない」として2人を解雇。さらに、陸運局に対して、2人をブラックリストに載せ、2度と公共輸送の仕事に就けないようにした。また、公社の調査委員会ではより詳しい事情を調べ、場合によっては、公社が原告となり、2人を起訴することも検討しているとのことだ。

外道の細道、2008年10月20日


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