人を外見で判断してはいけない。

スタバ全盛期の今、昔懐かしい、いかにも脱サラしましたみたいな親父がやっている喫茶店は絶滅状態であると聞いた。

 オレはタイ住まいでよく知らないがなんだか残念な気がする。
学校ふけて、会社抜け出して、休日に家に居づらくて、いろんな逃げ道として街の喫茶店は男に とって有益な場所だった。
平日の昼過ぎなんかは暇そうなマスターが何時間でも無駄話の相手をしてくれた。

外国にはこうした空間をなかなか見つけられない。

オレはタイに暮らしだして数年間こういう無駄空間を探して、さまよい、なぜか関係ない女に金取られたりしていた。

無駄な時間はつぶしたいが、無駄金つかうのはいやだ。まあ関係なかった。

ある日の午後、オレはトンローの喫茶店でコーヒー飲んでいた。

この喫茶店、カフェ・シンフォニーは昔懐かしい日本の喫茶店で、当然日本人のオヤジがやっている。
喫茶店を恋しがるのがオヤジだけになってしまったのかもしれない。

店名からしてどこか懐かしいというか、ベタと言うか、まあ昔の喫茶店風だ。

ラテなんて当然無い、コーヒーはブレンドとアメリカンにきまっとる!
お決まりごとのミックスサンドとナポリタン、カレーピラフなんかもある。

モーニングサービス(まだ日本でこの喫茶店朝定食はあるのだろうか?)もやっている。

店内には暇そうな日本人オヤジたちがどこか惚けたような顔をして新聞片手にコーヒーすすっている。

まあそんな店だが、ここでも喫煙規制の魔の手が伸びていて店内禁煙、でもオヤジは喫茶店と言えばタバコだ。

オレもそう、1卓だけタバコを吸う奴のために店の前にテーブルを出している。

オレはいつもそこでコーヒーを飲むのが最近の日課となっていた。

『ウム、100年に一度の世界的金融危機か・・・フッ、サッパリ関係ねえな』

その日もオレは意味なくえらそうにふんぞり返り、新聞読みながらタバコをブーーと下品にふかしていた。
その時、一人のタイ人の兄ちゃんが店の前にバイクを止め、オレに近づいてきた。

『あのー電話した****です』

『あー??』

『あのーーー、面接に来ました』

『ヘっ?』

兄ちゃんは店頭でタバコふかしているオレを店の経営者と勘違いしてバイトの面接を申し出たのであった。

オレは親指で店内を示し、中に入れといった。

オレとしては勘違いを正したつもりだったが、兄ちゃんはそれでもオレにヘコヘコしながら店に入り、こちらをチラチラ見ながらマネージャー格と見られるタイ人と話をしている。

オレは気づいてしまった。

俺のフウタイはどう考えてもかたぎの勤め人ではない、だがらといってやくざでもない。
しいて言えば、極めて自由業風の小商店主、固くない業種の・・・喫茶店の親父に近いかもしれない。

意識してやってるつもりは無いが変な色がついてしまったな・・・。
これは・・・はたしていけているのだろうか・・・??

皆さん、人を外見で判断するのはやめましょう。

PS. この店で一つ残念なのはタイのコーヒー豆を使っていることだ。
       思い入れはわかるがタイのコーヒーまずい。普通の豆もおいて欲しい。

(外道邦注、以下「GOURMETDEGEDOU」転載時に追記されたものです。)
PS2. もともとメルマガ用に書いたが面倒なのでそのまま転用。
          暇なオヤジどもいい歳食って漫画喫茶なんて行ってるんじゃねえ!
          たまには昔を思い出してサテンでスポーツ新聞読め。

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GOURMET DE GEDOU、2008年12月10日

外道の細道、2008年11月5日


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