筋彫り大魔王の女、オユカが娘のナナミとタイに来た。

多く他の例と同じように、ガキが生まれたとたん、または籍入れたとたん、筋彫りの優先順位は凋落し、ママと娘は海外旅行でもパパは仕事してろよハゲ!となり来なかった。

それはどうでも良い。
他人事だ。

オレは常々、謎のベールで覆われた主婦の日常が知りたかった。

いくら、子育てが大変とは言え、家事全般が煩雑とは言え・・・奴らはいったい何して暮らしているのだ?
口々に『忙しい』とは言うが・・・・妙にTV番組や、どうでも良い芸能人の下世話な噂に詳しく、話すのは隣近所親戚縁者のうわさ話ばかりで、どう考えても『暇な人の行状』にしか見えない。

まあ、そう言ってもオレにはよくわかんないので、主婦は暇人と仮定する。

オユカはエカマイのビックCに行きたいという。

『なんで?』

『だって新しくできたんでしょ。エカマイの店はまだ行ったことないから』

『・・・スーパーはどこもスーパーだろ』

『いいんです!ナナミもいきたいわよねー?ね、そうよねー』

都合が悪くなるとすぐ子供にふりやがる。

こうして、俺達はタクシーに乗ってスーパーに行った。

『なに買うか?』

ナナミをガキ縛り付けイス付きショッピングカートに乗せながら、オユカにふる。

『エーット、さっき洗剤切れちゃったし、ナナミのお菓子も買わなきゃ』

そんなモノ、部屋の前の雑貨屋で買え。
せっかく、スクンビットとは思えないしもたや満載のタイ人ソイに住んでいるのに・・・。

そう思って口にすると、値段が違うそうだ。

買い物の金額も低いし、ナンセンスだと思ったのだが、オユカは反論。主婦はスーパーのはしごをして、最安値を狙うそうだ。
それも毎日。

ウーン・・・、なんだか秋葉原のオタクと行動様式は似ている。
主婦の場合は生活がかかっている分、切なさすら感じられる。

『大根とか、野菜はこっちのスーパー、肉類とかは鮮度も良いこの店、今日のサービス品はこちら、みたいに一日に何軒もはしごするのよ』

『フーン・・・そんなことしても、結局大して変わらないでしょ』

『違うわよー、毎日だと!』

『だって108円が98円になったりするだけだろ?スーパーの買い物なんて』

『ちりも積もれば山になるんです!!』

どこまでホントか半信半疑だが、どうも重要なことらしい。

オレは気づいてしまった。
主婦の忙しさは、こうした小事の積み重ねなのではないだろうか?

つまり、専門化主婦業オタク化する事によって、細かいことの山積が忙しさの源泉となっているのだ。
オレは勝手にそう断定した。

なるほど、これなら忙しくしようと思えば、無限に忙しいとも言える。
英語の格言に、『女の仕事に終わりはない』と言うのがあるが、実体はこれだったのか。

最初に女がオタクだと感じたのは、奴らが化粧をしているときだった。
きりがない。

こうして、暇とも、重いとも、言える女の生涯は続くようだ。

ナナミは、おにぎりと、うどんをグチョグチョにしながら、ものすごい勢いで食っていた。
ナナミは、まだ女の無限仕事の流儀を身につけていない。

そんなに急いで食うな。
幼児のくせに。

子供がかわいいのは、まだ自意識が未完成であるからかもしれない。
素のままで生きる人間は罪がない。

外道の細道、2009年4月22日


にほんブログ村 その他日記ブログ ダメ人間へ