メコンの大河を朱色に染めた夕陽が沈み、ビエンチャンの町に夜の帳がおりた。
一国の首都とはいえ、この町の夜は未だ暗い。
街灯の無い川沿いの通りを、バイクやオート3輪がけたたましい音を立てて通り過ぎていく。
通りを走る車輌の茜色の灯火が、道を歩く人々を照らす。
夕刻になってメコン川から風が吹くと、日中の蒸した空気が冷却され、汗で背中に付着したシャツが乾いていくのが分る。
風はやさしく、埃と汗にまみれた町に潤いをもたらす。
ふっと思い出したように川からの風が体に付いた少女の甘い残り香を運び、鼻腔を撫でる。
かすかに漂う甘い体臭を嗅ぐと、今しがたの淫らな光景が鮮明に脳裏に浮かんでくる。続きを読む>>
一国の首都とはいえ、この町の夜は未だ暗い。
街灯の無い川沿いの通りを、バイクやオート3輪がけたたましい音を立てて通り過ぎていく。
通りを走る車輌の茜色の灯火が、道を歩く人々を照らす。
夕刻になってメコン川から風が吹くと、日中の蒸した空気が冷却され、汗で背中に付着したシャツが乾いていくのが分る。
風はやさしく、埃と汗にまみれた町に潤いをもたらす。
ふっと思い出したように川からの風が体に付いた少女の甘い残り香を運び、鼻腔を撫でる。
かすかに漂う甘い体臭を嗅ぐと、今しがたの淫らな光景が鮮明に脳裏に浮かんでくる。続きを読む>>