先日、春一番の風が、私の住む地域に吹き荒れた。
今しがた燃えるゴミを捨てに外に出たら、緩い夜風に春の香りが混ざっていた。
五年前の帰国が春だった、そして、夏から秋へと季節は変わり、空が高くなった分だけ胸に隙間ができた。
熱帯仕様に、毛穴が広がった身には、九年ぶりの日本の冬は耐えがたく、望郷に似た念をタイへ向け光速で飛ばし続けていた。
今さらなのだが、過去の記憶を手繰る時寒さや、暑さ季節の感覚は、過去を想い起こすための重要な要因であり、また、春夏秋冬折々の野菜や、果物季節の情景は、記憶の時空列を整え、同時にその時々の感情をも揺さぶっていることに気付いた。
さらに、今さらなのだが、タイには四季はないが、暑期雨期乾期を繰り返す気候の変化はある。
バンコクに暮らす分には、通年Tシャツタンパンで過せるが乾期(11月~2月ぐらい)の、一時期夜の街にミニスカTシャツ姿で店頭に立つ呼び込みの女達は一様に「寒い寒い」と連呼する。
普段あまり口にすることの少ない「寒い寒い」の発音を楽しんでいるふうにも思えた。
しかし、私の羽織っていた薄手のジャンパ-は見知りの呼び込みに没収され、今度は私が「ナゥ-ナゥゥ~」と連呼した。
このあたりが、たぶん、バンコクに於ける寒熱の片方のMAXだったと思う。
何年かバンコクに暮らすうち、日本の四季とは対比しづらい、季節の移り変わりも、毎年繰り返す伝統行事や祭と絡み合い、自分なりの季節感が生まれたとはいえ、その季節の感撹は、九年間に及ぶ在タイ悪行の時系列を整えてはくれない。
記憶の危うさは、複合汚染された脳内ゆえであるが、少しはその季節感覚と、バンコク混沌のオ-ラの仕業だとしたい。
01Mar2011
徒然外道、2011年5月26日
今しがた燃えるゴミを捨てに外に出たら、緩い夜風に春の香りが混ざっていた。
五年前の帰国が春だった、そして、夏から秋へと季節は変わり、空が高くなった分だけ胸に隙間ができた。
熱帯仕様に、毛穴が広がった身には、九年ぶりの日本の冬は耐えがたく、望郷に似た念をタイへ向け光速で飛ばし続けていた。
今さらなのだが、過去の記憶を手繰る時寒さや、暑さ季節の感覚は、過去を想い起こすための重要な要因であり、また、春夏秋冬折々の野菜や、果物季節の情景は、記憶の時空列を整え、同時にその時々の感情をも揺さぶっていることに気付いた。
さらに、今さらなのだが、タイには四季はないが、暑期雨期乾期を繰り返す気候の変化はある。
バンコクに暮らす分には、通年Tシャツタンパンで過せるが乾期(11月~2月ぐらい)の、一時期夜の街にミニスカTシャツ姿で店頭に立つ呼び込みの女達は一様に「寒い寒い」と連呼する。
普段あまり口にすることの少ない「寒い寒い」の発音を楽しんでいるふうにも思えた。
しかし、私の羽織っていた薄手のジャンパ-は見知りの呼び込みに没収され、今度は私が「ナゥ-ナゥゥ~」と連呼した。
このあたりが、たぶん、バンコクに於ける寒熱の片方のMAXだったと思う。
何年かバンコクに暮らすうち、日本の四季とは対比しづらい、季節の移り変わりも、毎年繰り返す伝統行事や祭と絡み合い、自分なりの季節感が生まれたとはいえ、その季節の感撹は、九年間に及ぶ在タイ悪行の時系列を整えてはくれない。
記憶の危うさは、複合汚染された脳内ゆえであるが、少しはその季節感覚と、バンコク混沌のオ-ラの仕業だとしたい。
01Mar2011
徒然外道、2011年5月26日